あの日あの時

20年前の1998年、リーグ杯決勝での勝利を皮切りに、チェルシーはタイトルを総なめしていった。今年5月に行われるレジェンドマッチを祝し、この試合を振り返ろう。

レジェンドマッチでは、あの日得点を決めたフランク・シンクレアとロベルト・ディ・マッテオが蒼のユニフォームに袖を通す。ウェンブリーにて10か月で2度目の勝利を収めた試合を写真と共に振り返ろう…

チェルシー V ミドルズブラ、1998年3月29日、リーグ杯決勝、ウェンブリー

1998年、チェルシーの決勝進出までの道のりは決して平たんではなかった。3回戦と準々決勝では、ブラックバーンとイプスウィッチ・タウンをそれぞれPK戦の末に勝利を掴み、サウサンプトンとの一戦では、ジョディ・モリスのゴールで辛くも逃げ切った形だった。アーセナルとの準決勝は2-0からのドラマが生まれた。

ウェンブリーでの決勝戦の相手は、10か月前のFA杯決勝で破ったミドルズブラ。当時ディヴィジョン1に所属だったミドルズブラだが、準決勝ではリヴァプールを下して勝ち進んできている。

試合前にはチェルシーの主将、デニス・ワイズの巨大なマスコットがピッチに登場した。

試合はチェルシーがボールを支配する展開も、相手GKマーク・シュウォーツァーの好守に阻まれた。前半にはマーク・ヒューズの決定機を2度防ぐなど、ダン・ペトレスク一行は中々ゴールをこじ開けられない展開が続いた。

下の写真でハイボールを競り合うのは、異なるキャリアを築いてきたシュウォーツァーとヒューズ。ヒューズが自身6度目となるウェンブリーでの優勝を手にした一方で、シュウォーツァーはその15年後にチェルシーへ加入。チャンピオンズリーグ準決勝などでゴールマウスを守った。

イングランド代表選手を2人抱えていたミドルズブラ。ポール・マーソンは元チェルシー主将のアンディ・タウンゼントと共に中盤で先発出場すると、新加入のポール・ガスコインが途中からピッチに出場してきた。

脚の疲れからか、ガスコインはマークについていたジャンフランコ・ゾラへのファールでカードをもらった。攻勢を強めていたチェルシーは、徐々に相手守備陣を翻弄していく。

FA杯決勝戦と同様、ミドルズブラは決定機をなかなか作れず、エド・デ・ゴーイは守備陣に封じ込められてしまう。

スコアレスのまま試合は進み、ピッチの緊張感も時間と共に増していった。試合は両者無得点のまま後半終了のホイッスルが鳴った。

延長戦でブルーズの攻撃がついに実を結ぶ。開始4分にシンクレア、ゾラ、ワイズとパスを繋いで相手陣内へ攻め込む。思うようなファーストタッチとはならなかったワイズだが、上手く立て直し、ゴール前へクロスを送った。これを走りこんできたシンクレアが合わせ、マーク・シュウォーツァーの牙城をついに崩した。

「ほんとに信じられなかったよ!」と興奮して語るシンクレア。

「でも現実の事さ!」と応えるゾラ。

冷静な試合運びを見せた延長戦後半だが、チェルシーに追加点が生まれる!ゾラの低い弾道のCKをニアサイドで合わせたのは、約1年振りのゴールとなったディ・マッテオ。ミドルズブラの優勝への望みを打ち砕く、貴重な一発となった。

そしてチェルシーはウェンブリーで優勝を成し遂げた。中盤を圧倒的に支配したワイズはマンオブザマッチに選出され、受賞の様子は写真にも収められている。ワイズの隣に並ぶのは、選手兼監督に就任してから僅か6週間のジャンルカ・ヴィアリ、得点を決めたシンクレア。この試合での負傷により、ストックホルムで優勝を決めたカップウィナーズ杯など、そのシーズンは残りの全試合を欠場し、この試合がチェルシーでの最後の試合となった。

今年の5月18日金曜日には、他にもゾラやフランク・レブーフ、トーレ・アンドレ・フローらが集結し、インテル・フォーエバーとのスペシャル・レジェンドマッチが行われる。

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