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テリーのロンドン便り #1 - 今シーズンの雰囲気

チェルシーサポーターのみなさん、はじめまして。突然ですが、今週から時々コラムを書かせて頂くことになりました小松輝仁と申します。私は2016年8月からロンドンに住んでいるチェルシーサポーターで、渡英以来ホーム、アウェイ、欧州戦とほぼ全ての試合をスタジアムで観戦してきました。

輝仁(Teruhito)という名前が英国で覚えてもらえず、こちらでは自然と付けられた「Terry」のニックネームで通っています。不定期ではありますが、現地で見聞きしたものを『テリーのロンドン便り』という題でお届けさせて頂きます。何卒よろしくお願いします。

今シーズンは雰囲気がいい。

一口にそう言っても具体的にどういいか、現地の雰囲気はなかなか伝わらないかもしれません。3-0で勝利したプレミアリーグ第22節のバーンリー戦は、それを説明するための材料がフルに詰まった試合でした。

昨シーズンの同カードでアキレス腱断裂の大怪我を負ったカラム・ハドソン=オドイが、49分に待望のプレミアリーグ初ゴールを決めました。長いリハビリを経て心身両面の困難を乗り越えた同選手の復活弾をタミー・エイブラハムがいち早く祝福すれば、メイソン・マウントも顔を突き合わせて自分のことのように喜び、反対サイドにいたウィリアンまで遠くから駆け付けました。試合後、赤信号待ちの車の中から満面の笑みでサインに応じていたハドソン=オドイの姿が忘れられません。我々サポーターはあの団結、あの笑顔を見るためにスタンフォードブリッジへ通っています。

ちょっと笑ってしまう場面もありました。82分、マウントがクロスを入れようとしてキックミスした瞬間です。ボールは文字通り明後日の方向へと飛んでいったわけですが、即座にゴール裏から「What the f**king hell was that?(なんだよそれ?)」と冗談交じりのチャントが歌われ、それを聞いた本人も笑いながら照れくさそうな反応を見せました。これはリードしていたからこそのリアクションとも言えるでしょうが、勝っていても何かと怒りぽかった昨シーズンは、挑戦する意志を示さずにパス、パス、パス…と安全な選択肢を選びがちな姿勢に多くのファンが不満を露わにしていました。失敗しても今回のような雰囲気なら選手は思い切って挑戦できるし、結果的にファンの満足にも繋がるというものです。

もちろん、慣れ合っているわけではありません。プロとしてのシビアな表情も見ました。ここのところ高速クロスを大絶賛されているリース・ジェームスが、この試合でも際立った活躍を披露してエイブラハムのゴールをアシスト。しかし、エイブラハムは祝福ムードに包まれる試合終了のホイッスル直後、まずはジェイムズのもとへ行き、足下を指して何かを要求していました。これは想像にすぎませんが、71分にあったライナー性のクロスにあと一歩のところで合わなかったシーンについて話し合っていたのかもしれません。あの時のエイブラハムはピッチに横たわって本当に悔しそうな反応を見せ、そのハングリーな姿にファンも大きな歓声を送りました。この試合のハイライトの一つです。

ジェイムズの台頭はベンチにも影響しています。彼が右サイドバックに入り、アスピリクエタが左サイドバックに移ったことで控えに回ったエメルソンが、試合前のアップを最も熱心にやっているように見えました。彼の立場を知っていることで色眼鏡で見てしまっている部分もあるとは思いますが、他の選手が控え室へと引き上げる中、最後までピッチに残ってキック練習していた選手がエメルソンであることは確かな事実です。フランク・ランパード監督が繰り返し言ってきた「健全な競争」が、シーズンを折り返した今も各ポジションで継続されていることを目の当たりにしました。

これら全てを含めて思います。今シーズンは雰囲気がいい。

 

筆者のテリーはロンドンに住む日本人のチェルシーファンです。直接連絡を取りたい方は、ツイッターまたはインスタグラムからお願いします。

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