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テリーのロンドン便り: #3 アウェイマッチの行き方

コロナウイルスの影響により、プレミアリーグが少なくとも4月30日まで中断することになりました。チェルシーのない日々は退屈ですが、健康第一で再開を待ちたいと思います。どうぞ読者のみなさんもお気をつけ下さい。

さて、この中断期間後に予定されている次の試合はアウェイでのアストンヴィラ戦です。過去3シーズンはヴィラがチャンピオンシップにいたため、実に4年ぶりにヴィラパークへ行く機会を得た!と現地のサポーターも特に楽しみにしている印象があります。

ところで、アウェイの試合にチェルシーサポーターがどのように行くかはあまり知られていないことかもしれませんね。そこで今回のコラムでは、国内最長距離の移動を強いられる最もアウェイらしい試合として有名なニューカッスル戦を例に、アウェイマッチの日に過ごす「チェルシーサポーターの1日」を紹介しましょう。1月18日に行われたこの試合は、後半アディショナルタイムの最後の最後にセットプレーから失点して0-1で敗れました。遠征の雰囲気、結果によっては時に残酷にもなり得るということが伝わると思います。

この日は公式のツアーバスが3台、スタンフォードブリッジから出ました。車両は日本でも高速バスサービスで乗るような、馴染みあるタイプのものです。

キックオフ17時30分に対して、集合時間は8時45分。ニューカッスルまで約470kmあり、日本で考えると東京〜京都とだいたい同じ距離です。片道6時間以上かかる旅程で、ロンドンに帰ってくるのは翌19日の深夜2時30分と、絶句するほどのハードスケジュールを知らされていました。

こうなると開き直って覚悟を決めるしかありません。車内での視聴用に大量の動画をダウンロードしてくる人、とにかく寝るために快眠グッズを持ってくる人…と時間潰しの方法は様々ですが、後部座席ではいつも熱いチェルシートークが絶え間なく交わされます。今回も1970年のFAカップ決勝の話に始まり、かつてあったスタジアム移転案やChelsea Pitch Ownersの歴史、さらには移動中に試合が始まったリーズとのライバル関係についてなど、相変わらず現地ならではのディープな話を聞かせてもらいました。

冬の移籍市場について熱弁し合った1時間のランチ休憩を挟み、スタジアムに着いたのは16時過ぎ。到着まで6時間だったはずが既に7時間以上経過し、7階にあるアウェイスタンドに階段で向かうとクタクタの状態でした。ただ、さすがはフットボールファンです。到着するや否や疲れを忘れ、ビールを片手にいきなりスイッチが入りました。

ロンドン以外の都市から来たり、前泊したりしたサポーターともこのタイミングで合流。盛大なチャントで即座に応援の雰囲気を作りだし、会場の熱はあっという間に試合モードになりました。

セント・ジェームズ・パークの収容人数は5万2000人以上。この大きなスタジアムでもテレビの向こうにチェルシーサポーターの大歓声が届いた事実は、いかに懸命に応援していたかを物語ります。それだけに、やはりあの最後の失点は残酷でした。試合後、あれだけ盛り上がっていた後部座席が無音になったことはきっと容易に想像が付くでしょう…。とはいえ、これもフットボール。こういった厳しい経験をしても、サポーターはチームについて行くものです。

ちなみに意外に思われるかもしれませんが、実は公式のアウェイツアーでは車内へのアルコールの持ち込みが一切禁止されています。一方、自分で一般の交通機関を手配すれば飲めるうえ、より速く着くことが可能です。それでも多くのサポーターが公式ツアーを利用する理由は、価格が安いこと(全試合10ポンド)、そして後部座席での会話のように家族的なファン同士の繋がりがあるからだと思います。実際、アウェイツアーを通じてできた友達は数え切れません。現地の友達が欲しいならアウェイバスに!そう言えるほど素晴らしい環境です。

バスの予約はチェルシーの英語版公式ウェブサイトから可能。みなさんもあのファミリー感を一度経験すると、その後はむしろアウェイ戦の方に行きたいなんて感覚さえ覚えるかもしれません。本拠地のスタンフォード・ブリッジでホームを体感するのもいいですが、機会があったら公式のアウェイツアーに行ってるのもオススメです。

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