今シーズンここまでの個人の活躍を振り返るこの企画。今回は2019/20シーズンにチェルシーへと復帰したクル・ズマだ。
2度のプレミア他クラブへのローン移籍からチェルシーに復帰し、今シーズンCBの中で最も起用されているクル・ズマについて…
クル・ズマ: 33試合出場(途中出場3試合) 、1ゴール、1アシスト、クリーンシート6回
「クルがやったことは容易ではない。ローン移籍をすると人々はチェルシーの人間ではなくなったと考えるのさ。ただ自分は1度もローンに出していない。プレシーズン初期の頃から彼を構想に入れていたし、資質を信じている。彼に自信を与え続け、シーズンが進むにつれて更に良くなっている。グループの中でもリーダーシップを発揮していて、見るからに強そうだが良い選手だね」
ストーク、エヴァートンへローン移籍する前にすでにチェルシーで74試合に出場していたズマ。今季からチェルシーで活躍する若手選手とは経験こそ異なるが、ローン移籍から復帰して新たなチームにアピールする点では同じと言える。それはランパードの意見に説得力があったとしても変わらないだろう。
チェルシーへ復帰
ランパードがチェルシーを去った半年後の2014年1月にサンテティエンヌから加入したズマ。定期的に出場機会を得ていたが、2016年2月に前十字靭帯を損傷し1年近く欠場することに。それからスピード感を戻すために同じくプレミアリーグのストーク、エヴァートンへのローン移籍を経験。その2シーズンで着実に経験を積むと、再びチェルシーでプレーする機会を手に入れた。
プレシーズンのパフォーマンスからシーズン開幕時にはアンドレアス・クリステンセンとコンビを組んだズマ。開幕節はマンチェスターUに敗れたものの、その後のリヴァプール、レスター戦では安定したプレーを見せる。特にイスタンブールで行われたスーパー杯のパフォーマンスは印象的だった。
トモリとの関係
ズマは8月の5試合全てにスタメン出場。リーグ杯で大勝したグリムズビー戦では今シーズンここまで唯一のゴールを記録。プレミアリーグではウルヴズ、リヴァプール戦では怪我を負ったアントニオ・リュディガー、クリステンセンに代わって途中出場を果たした。これがフィカヨ・トモリと初めてコンビを組んだ試合であり、ランパードもズマを称賛している。
快勝を収めた10月初めのサウサンプトン戦を皮切りにプレミアリーグ、CLを含めて9試合連続でペアを組んだ2人。スピード、エアバトル、タックルの面で力強いパフォーマンスを発揮した。1-0で勝利したアヤックス戦では、ヨーロッパで最も攻撃的なチームにほとんどチャンスを作らせず。それから2週間後に再びアヤックスと対戦。今シーズン最高のゴールを匂わせるプレーを見せた!
「クルトは勇敢にも持ち運んでいった」ランパードはコメント。「ディフェンダーが持ち運ぶのは好きだが、突っ込みすぎるとボールを奪われることもある。それでもズマには相手を交わして抜き去る力があったみたいだ。あんなCBは滅多に見ないよ。シュートを打つ時にはディフェンダーに戻っていたけどね!」
「あれには笑ったよ」とランパードは続ける。「でも広い目で見るとクルトが自信を持ってプレーしているように感じたし、それは自分にとって非常に嬉しいことだ。さらに最後の局面でもしっかりとゴールを守っていたしね」
次のCLではヴァレンシアと対戦。ズマは後半に、チェルシーに貴重な勝ち点をもたらしたプリシッチのゴールをアシストした。
12月にはクリーンシートから遠ざかり、チームは様々なフォーメーションを採用。しかしズマは3バック、4バックに限らずスタメンとしてプレーした。ブライトン戦ではチェルシーでの通算100試合出場を達成。
今年に入ると出場が減り、ここまでの出場数は5。しかし中断前に無失点に抑えたリヴァプール、エヴァートン戦では守備の要としてプレー。ランパードが多くのCBを起用する中、この2試合ではアントニオ・リュディガーとペアを組んだ。今シーズンはトモリ、クリステンセン、リュディガーよりも10試合以上多く出場しているズマ。これはズマのパフォーマンス高さとランパードからの信頼の表れだろう。
クル・ズマの記録
プレミアリーグの出場数 2019/20
2019/20シーズンのプレミアリーグではここまで22試合に出場。
チャンピオンズリーグの出場数 2019/20
チャンピオンズリーグではグループステージ全6試合に出場。
FA杯の出場数 2019/20
FA杯ではここまで2試合に出場。ハル戦とリヴァプール戦だ。
リーグ杯の出場数 2019/20
カラバオ杯で2試合に出場。
ゴール数 2019/20
今シーズンここまでは1ゴールを記録。7-1と勝利したカラバオ杯グリムズビー戦でリース・ジェイムズのクロスに合わせて得点した。