インタビュー

エイブラハム、アンフィールドでの「最高の瞬間」、そしてヒディングの最後の教えを語る

42試合に出場し16得点を挙げたタミー・エイブラハムにとって2019/2020シーズンは、チームの中心的存在となった1年間であったと語られるだろう。この若きストライカーがブルーズでデビューしたのは4年前にさかのぼる。

当時、今と同じようにチェルシーは最終節を残した状態でアンフィールドでリヴァプールと対戦した。18歳だったエイブラハムは、様々なアカデミーチームで26点を決め、自信に満ちたシーズンを過ごしていた。

トップリーグデビューから数週間前、彼はスイス、そしてFAユースカップ決勝で得点を決め、シーズン終了時に2つの銀賞を手にしていた。

恐らくシーズンを終え、夏のヴァカンス、そしてコブハムの仲間と同様にチャンピオンシップまたは海外へのレンタルなど、翌シーズンのキャリアについて考えていたであろう。

当時、プレミアリーグで8位と9位の争いとなったリヴァプール戦に向けて、フース・ヒディンク監督から、ファーストチームのトレーニングに参加するようにとの連絡を受けた時も、エイブラハムはその重要性についてあまり深く考えていなかった。

「コーチのアディ・ヴィヴェアッシュが一軍の練習中にリヴァプール戦のことを話してきたんだ。その時は試合直近でただ補欠要因として呼ばれたんだと思っていた。」と当時のことを思い出すエイブラハム。

「召集されたのは自分とケイシー・パルマ―、フィカヨ・トモリの3人で、アカデミーに戻る前に練習に参加していたんだ。スティーブ・ホランド(ヒディングのアシスタント)が来て、アンフィールドのリヴァプール戦でベンチに入ることが告げられたんだ。」

「その時はクールに振舞ったよ。『わかったよ、スティーブ。ありがとう』ってね。いつもどおりを装ったけど、控室に戻ってから飛び跳ねて喜んだんだ!」

「車に乗ってから母に電話したんだ。18歳の自分にとっては信じられない出来事だったからね。自分にとっても家族にとっても思ってもいなかったことだった。サッカー人生の中で一番自分を誇らしく思った瞬間だったよ。」

数日後、エイブラハムはトモリと一緒にアンフィールドのピッチに出て、幼馴染の二人でその特別な瞬間を楽しみ、起きていることすべてを目に焼き付けていた。

「試合前のことをよく覚えているよ。スタジアムを見回して『ここにいるんだ、今実際に起こっているんだ』ってね。フィカヨは映画『ゴール』みたいだって言ってた。現実とは思えなかったからね。」

トモリはチェルシーでの公式戦デビューまであと2日、シーズン最終節スタンフォードブリッジでのレスター戦まで待つこととなる。一方のエイブラハムは試合終了16分前にヒディングから声をかけられ、プロリーグでデビューする。

22歳のFWは、ヒディングの指示、ピッチサイドでのウォーミングアップ、そしてエデン・アザールの先制点でリードしていたことなど、その時のことを全て鮮明に覚えている。

「ルベン(ロフタス=チーク)と一緒にウォーミングアップしていたんだ。そしたらフース・ヒディングが呼んでるのが見えた。自分かルベンのどちらを呼んでいるかわからなかった。彼のもとに走っていくと、準備しろって言われたんだ。」

「交代出場する前に彼は『ここにいる理由はわかっているな。アカデミーで良いプレーをしてきたんだ。今は試合を楽しむんだ。恐れることはない。ただ試合を楽しむんだ』と言ってくれた。怖がらないなんて無理だったけど、人生で最高の瞬間だった。」

リヴァプールとのその後の対戦では、いい結果を残すことができなかった。2017/2018シーズン、スウォンジーでプレーしていたアブラハムは、アンフィールドで5-0の敗戦を喫しており、アンフィールドでプレーしたのはこの時だけだった。

昨年8月のイスタンブールでは、スーパーカップ決勝のPK戦で決定的なPKを外したが、9月にブリッジで行われたリーグ戦で僅差で敗れたフィルジル・ファン・ダイクらとの対戦では、再びCFとして攻撃の指揮を執ることになった。

マージーサイドでのデビューのような思い出を作るには、何か特別なものが必要になるだろう。もしエイブラハムがリヴァプールのプレミアリーグにおけるホーム58試合無敗記録を終わらせ、チェルシーのチャンピオンズリーグ出場権を確保することができれば、彼にとってデビュー戦を上回るほどの思い出となるかもしれない。

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