来シーズンのチャンピオンズリーグ出場が決まった!前半ロスタイムに決めた2ゴールをそのまま守り、スタンフォードブリッジでチェルシーが最終節を勝利で飾ったのである。
マンチェスター・ユナイテッドがレスター相手にアウェイで勝利したため、フランク・ランパードのチェルシー監督としての初シーズンはプレミアリーグ4位に終わり、待ち望んだチャンピオンズリーグ出場という目標を見事に達成した。さらにランパードは、来週ウェンブリーにて、勝てば初めてのトロフィーとなるFAカップ決勝戦に臨むことになる。
今日のゴールはメイソン・マウントとオリヴィエ・ジルーが決めた。チームのスターとなったマウントは、弧を描く美しいフリーキックを決め、更にスルーパスでリーグ再開後7点目となるジルーのゴールをアシストした。
後半も相手の攻撃に怯えることなく、ウルブスにほとんど決定機を与えず、充実したリーグ戦最終節に相応しい試合となった。
オールドトラフォードでの初戦から350日後、曇り空のスタンフォードブリッジでブルーズはトップ4入りをかけた90分間の試合に臨む。東スタンドでは、ティモ・ヴェルナーが初めてチェルシーの試合を観戦する。
序盤15分
ウルブスは、この試合に勝利すれば来期のヨーロッパリーグへの出場が決まる。まずゲームを支配したのはウルブス。マルコス・アロンソが背中を痛めたプレーからマット・ドハーティがチャンスを作るが、トニ・リュディガーとクル・ズマが二人で阻止する。幸いアロンソは負傷から試合に戻る。
11分後にセットプレーからのマウントのフィードをリース・ジェイムズがゴール枠外にシュートしたのが、チェルシーにとって初めてのチャンスだった。
チェルシーはうまくパスを回すことができず、クーリングブレイクまで突破口を見出すことができない。また、ディオゴ・ジョタが得たチャンスは、プレイヤーズ・オブ・ザ・イヤーを狙うマテオ・コヴァチッチのディフェンスに阻まれる。
30分には、ズマとラウル・ヒメネスが頭をぶつけ合い、メキシコ人ストライカーは長い治療を必要としたが、これも幸いなことに大事には至らない。
中盤での激しい争いは続き、両チームとも勝利への執念を見せる。チェルシーのポゼッションからジョルジーニョがスルーパスを出し、ボールを受け取ったマウントが右サイドからクロスをあげるが、バランスを崩したジルーの頭の上を越える。
ブルーズが主導権を握る
ハーフタイムが近づくと、ペドロ・ネトのゴールバー近くへの危険なクロスをウィリー・カバジェロが見事に弾く。その後のリュディガーのロングパスを受けたリース・ジェイムズが素晴らしいトラップからセンタリングをあげるが、相手DFがコーナーへとクリアする。このセットプレーをウルブスは自軍からクリアすることができず、エリア外でボールを拾ったアロンソが倒れ、審判はファウルの判定を下す。
このFKのキッカーはアロンソとマウントの二者択一だったが、アロンソの判断でマウントが蹴ることになる。そしてマウントが蹴ったフリーキックは壁を越えて左上隅に突き刺さる。このロスタイムのゴールがチェルシーにとって前半初めてのゴール枠内へのシュートであった。
そしてチェルシーはすかさず2点目を決める。今度はカウンターからジョルジーニョ、プリシッチ、マウントと繋ぎ、スルーパスを受けたジルーがGKパトリシオをかわし、コナー・コーディのチェックが入る前に左足でスライディングシュートを決める。これは、絶好調のストライカーによるスーパーゴールと言えるだろう。
チェルシーは、これ以上ない形で前半を終える。しかしウルブスは後半開始後すぐに反撃に出て、ディフェンスラインからゲームを組み立てる。アダマ・トラオレがネトに代わって入り、右サイドからチェルシーの守備陣を脅かす。
忍耐力のためされる展開
チェルシーは駄目押しとなる3点目を狙うが、マウントもプリシッチも得点するには至らない。
ウルブスは、3人の選手を交代する前に、ディオゴ・ジョタが20ヤード付近からこの試合始めて枠内へシュートを打つが、カバジェロが問題なくキャッチする。
後半のクーリングブレイク中、マンチェスター・ユナイテッドがレスター相手に先制点を挙げ、チェルシーのトップ4入りはより確実なものとなる。
ローペースな終盤
ランパードがプリシッチとジルーに代え、ハドソン=オドイとエイブラハムを投入したのは試合終了から12分前のことだった。その直前、ジルーからのパスを受けたプリシッチのカーブのかかったシュートはゴールバーを越える。
ブルーズは、ゲームをコントロールし、ほとんど相手にチャンスらしいチャンスを与えない。実際、最もゴールに近づいたのはエイブラハムだったが、フリーで持ち込んで打ったシュートはコースが悪く、パトリシオが正面でキャッチする。
結局試合は2-0のまま終わり、チェルシーはクリーンシートでトップ4入りを果たすのである。
スターティングメンバー
ランパードがケパの代わりにカバジェロを起用したことは、試合前に大きな話題となった。そしてリヴァプール戦ベンチからの出場で素晴らしい活躍を見せたプリシッチがスタメンに戻った。エンゴロ・カンテは復調せず、リストから外れた。
メイソンのマジック
今シーズン誰よりも多くの試合に出場したマウントにFKを任せたのはチェルシーにとって正解だった。既にどのアカデミー卒業生よりも多くの出場機会を得た21歳のMFにとって、驚異的な躍進を遂げたシーズンとなった。マウントは今日の1得点1アシストで、シーズンの成績を8ゴール、6アシストとした。
アディショナルタイムのジルー
驚くべきことに、ジルーは今日の得点を含めて4試合連続で前半終了間際のアディショナルタイムにゴールを決めている。今日の彼の見事なフィニッシュは、チームにとって追加点となる2点目のゴールとなった。これにより、後半チェルシーは落ち着いて試合を進めることができた。ジルーには、ウェンブリーで行われるFAカップ決勝での活躍を期待したいところだ。
チェルシー (3-4-3): カバジェロ;アスピリクエタ(C)、ズマ、リュディガー;アロンソ、ジェイムズ、コヴァチッチ(ロフタス=チーク85)、ジョルジーニョ(バークリー88)、;マウント(ペドロ85)、ジルー(エイブラハム78)、プリシッチ(ハドソン=オドイ78)
サブ ケパ、クリステンセン、エメルソン、トモリ
得点者 マウント45+1、ジルー45+4
警告 ジルー45+3、アスピリクエタ90+2
ウルブス (3-4-2-1): ルイ・パトリシオ;コーディ(c)、ボリー、デンドンケル;ドハーティ(ポデンス59)、ジョニー(バイナグル59)、サイス、ネヴェス(モウティーニョ59);ディオゴ・ジョタ(ジョルダン84)、ラウル・ヒメネス、ネト(トラオレ45)
サブ ラディ、キルマン、ブール、ギブス=ホワイト
警告 ジョタ22、ネト45、デンドンケル83
主審 スチュアート・アトウェル