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パット・ネヴィン:消えた選手たち

ウルブスを相手に試合をコントロールし、今シーズンの目標を達成したチェルシーに対して来季に向けて大きな期待を寄せるコラムニストのパット・ネヴィン。週末に行われるFAカップ決勝も楽しみにしている、と語る。


チェルシーがプレミアリーグでトップ4入りを祝福していることには、違和感を隠せない。このクラブが近年リーグを何度も制し、勝つことに慣れていたからである。しかし、フランク・ランパードと選手たちが素晴らしい成績を残したことは特筆すべきことだろう。日曜のウルブス戦での勝利は、彼が成し遂げた成果の典型的な一例だろう。

何よりもまず、異なる状況に適応する能力があった。シーズンを通して、システムを試合中に変更することが多かったが、それ以上に、これらのシステムがそれぞれの試合で異なった方法で活用されてきた。ウルブス戦では、自分たちが望む結果を得るために、フィジカル面、そして試合に対する姿勢において、闘争本能を前面に出すパフォーマンスを見せた。その成果は前半の終盤に現れたが、後半開始時には、同じ3-4-3で複雑なパス回しとシンプルなポゼッションによりゲームをコントロールしていた。

その時に頭に浮かんだのは「良いゲーム運び」であり、これを実際に実行できるチームは思っているほど多くない。フランクはこのようなパフォーマンスを来シーズンもっと見たいだろうし、実際ウルブス戦のように後半ゲームを支配した試合はそれほどなかった。やっと目標を達成できたことにチームは安堵しているだろう。

最終節は、ジェットコースターのような展開になることはなく、最後には誰もバックミラーに映らず、ゴールに向かう気持ちの良い日曜日の午後のドライブのようなものだった。最近の ビッグチームとの対戦で良い成績を収めたことを振り返る時間さえもあった。マンC、マンU、スパーズ、レスター、そしてウルブスとの対戦はすべて勝利で終わっており、クリスマス直後にはFAカップでリヴァプールに、リーグ戦ではアーセナルに勝利した。それは、トップ4に入れたことと同じくらい来シーズンへの希望を与えてくれる。プレミアリーグの強豪相手に何度も運よく勝利することはないからだ。

アーセナルとのカップ戦、そしてもちろんバイエルン・ミュンヘンとの試合の後には、まだ振り返る時間があるだろうが、改めて総括すると、今シーズン、ソーシャル・メディアやメインストリームを問わず、様々なメディアはチェルシーの多くの選手を切り捨てた。マルコス・アロンソからジョルジーニョに至るまで、彼らのブルーズにおけるキャリアは終焉を迎え、主力として起用されることはないと言われてきた。

正直に言えば、シーズン開始時にセサル・アスピリクエタに対する否定的な意見を多くの人から聞いてきたし、リース・ジェイムズが加入した時の批判も酷かった。今では、デイブ(アスピリクエタ)は様々なポジションでスター選手として活躍している。おそらくチェルシーでのキャリアの中で最高のシーズンを過ごし、相手のボックス内では危険な存在となり、これまで以上に多くのアシストとゴールを記録し、創造力を発揮している。もし誰かが彼を年間最優秀選手に選ぶべきだと主張してきても、私はそれに反論するつもりはない。
 

「決勝戦は国内シーズンを締めくくるに相応しい試合になる可能性があるだろう」

photo of パット・ネヴィン パット・ネヴィン

では、チェルシーで失格の烙印を押された選手は他に誰がいるのだろうか?まずタミーの控えとなったオリヴィエ・ジルーが挙げられるだろう。ジルーは、誰からも賞賛されていたが、早ければ1月には退団するのではないかと噂されていた。結局彼は残留した。クラブにとって間違いなく大きな武器となっていたし、シーズン終盤ではゴールを量産し、彼のキャリア全体の中で最も好調な時期を過ごした。

これは、フランク・ランパードが嫌っていたような、反射的反応の危険性を示しているだけだ。彼は選手を見捨てるのではなく、選手と一緒に働き、励まし、サポートし、選手に正直に向き合ってきた。クラブを去るとき、選手たちが自分たちの扱いについて不満を述べることはないことは想像に難くない。

ペドロはこの夏で退団するが、別れを告げる際、彼の顔から笑顔が消えることは決してなかった。彼はフィールドに立っている間、一瞬一瞬のためにすべてを捧げてくれた偉大な選手だった。ブリッジのファンの前で彼にふさわしい見送りをすることができないのは残念だ。彼には少なくともそれだけの価値がある。
 

今週、まずはFAカップの決勝戦という小さな問題を越えなくてはならない。リーグ戦やチャンピオンズリーグの出場権争いに集中していたせいか、スタジアムにファンがいないせいか、正直なところ、今シーズンはサッカーの話題でそれほど盛り上がることがないのかもしれないが、チェルシーのカップ決勝戦の前にこれほど落ち着いた気持ちになったことはない。シーズン開始時の考えを考えると、様々な意味で予想外のことなので、プレッシャーははるかに少ない。

このような落ち着きは、ウェンブリーでの決戦に臨むチームにマイナスの影響を与えるのだろうか?いや、それはないと思う。彼らは決勝に向けて着々と準備を重ねているだろうし、休息も取れているだろう。運が良ければ、エンゴロかウィリアン、もしくは両方が戻ってくるかもしれないし、どちらも戻ってこないかもしれない。驚くべきことに、もしどちらも出場できなかったとしても、チームはこの試合に自信を持って臨むことができるだろう。今シーズンは、適応能力だけでなく、若手を含めたチーム全体が大きく成長した。つまり、アーセナルはおそらく彼らが直面することになるチームのことを何も知らないということだ。

一つ確かなことは、ダヴィド・ルイスと彼の仲間がポジティブで攻撃的なチームと直面するであろうということだ。ミケル・アルテタも攻撃志向の監督なので、国内シーズンを締めくくるにふさわしい素晴らしい試合になるかもしれない。このような困難な時期、誰もが助けを必要としているときに、サッカーは戻ってきたのだ。決勝に相応しい試合を見せてほしいし、私はきっとそうなると信じている。


記事:ウルブス戦の主なスタッツ
 

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