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ジャイルズ・スミス:少し変わった開幕、そしてチームに対する期待

フロントは大型補強を行い、メディアもそれを称賛した。ではファンはどうだろう?コラムニストでシーズンチケット保有者でもあるジャイルズ・スミスが新シーズン開幕を前に、チェルシーのピッチ内外の変更点を総括する。

最高だ。まるで時間が短縮されたようだ。数分前に昨季最後の試合を観たばかりのような感覚だ。そしてまた新しいシーズンが始まろうとしている。

皆さんについてはわからないが、私はついこの前サッカーの試合を観に行った感覚だ。実際には1か月の時間が過ぎ去った。1か月間サッカーの試合が観ることができないは、耐え難いことだという意見もあるだろう。

とにかく、また試合が観れるのは最高の気分だ。プレミアリーグのSNSの投稿の通り、「あの興奮をもう一度」という気分になっている。特にこの夏の理路整然とした大型補強の後、このような心境になるのは当然だろう。

だが同時に、パンデミックがなければどのような日々を過ごしていたのだろう、と考えると少しばかり哀愁を感じてしまう。

新しいシーズンの初日は、何か忘れ物がないか、という気分になる。FAカップ決勝よりも気分は高まっている。

グラウンドへの最初の一歩、観客の待つスタジアム、スタジアムの入り口、そして期待に胸を膨らませゲートをくぐる。まだシーズンは始まっていない。そしてスタンドに上がり、自分の席に戻ると、見慣れた顔、新しい選手、新しい髪型、新しいユニフォームが目に入る。

試合が始まると、暖かい日差しの中、そこに座って、1999年のジャンフランコ・ゾラのループパスからグスタボ・ポジェが決めたゴールを思い出す。(私自身を含め多くのファンにとって、開幕戦のゴールといえば、1999年のゾラからの絶妙なパスを受けたポジェのゴールを思い浮かべる。あのシーンがなんとなく開幕日のムードを象徴しているように思えるのだ。)

多くのファンがこのような状況の中、スタジアムで観戦できないことに苦しむことになる。イギリスでは、月曜日から6人以上の集会が禁止された。4万2千人近くが再びスタジアムを埋めるのは、当分先のことになるだろう。

テレビで試合を観戦することに異を唱えているわけではない。今夜のブライトン戦を含め、リーグ戦全試合がTV放送されることは感謝すべきことだ。ただ、TVでスティーブ・マクナマナンやリヴァプール、マンUの元選手を見るよりも、マシュー・ハーディング・アッパーと共に試合を観戦することを待ち望んでいるのだ。

そして、スタジオでキーボードから発せられる録音した歓声を聞くより、私の様なファンが自然に声を出し、チャントを歌い、拍手を送る光景が待ち遠しいのだ。いつも通りのサッカーに戻ってきてほしい。正当なかたちでだ。上の写真にあるように、客席をキャンバスのように塗り尽くすのではなく、ファンの姿を見たいのだ。

しかしもちろん、私達には明るい話題を見つける義務がある。そういう意味で、少なくとも誰も見ない無意味な代表戦が終わり、今後はそのような中断があまりないことは、このパンデミックの中でも朗報といえるだろう。

そしてリーグが開幕する。誰もがこの時期、大きな期待を抱いているだろう。クラブが素晴らしい補強をしたことについて、改めて感謝したい。

photo of ジャイルズ・スミス ジャイルズ・スミス

この開幕戦が、目立った補強のなかったリヴァプールに不満を抱える我々が友、ユルゲン・クロップにプレッシャーを与えることを期待しよう。ティモ・ヴェルナー、ハキム・ツィエク、チアゴ・シウバ、カイ・ハフェルツらがプレミアリーグの勢力図をどのように塗り替えるか。私たちよりも興奮していないように聞こえるが、ユルゲン・クロップは最近、リヴァプールはチェルシーとは本質的に「異なる種類のクラブ」であり、新しい選手の獲得に2億ポンドを費やすことをしない、と不機嫌そうに主張しているのを聞いた。

それは確かに、大金だ。なぜかというと、それはリヴァプールが2018年に行った2億3600万ポンドの補強の85%に相当するからだ。ああ、古き良き、ユルゲン。こんなに早くから心理戦を仕掛ける彼も、愛らしい存在といえるだろう。リヴァプールの2019-20プレミアリーグ優勝を称え、ガード・オブ・オナーを行ったのはまだ7月のことだ。しかし、恨むことはない。今シーズンのこの希望に満ちた時期、現在のパンデミックによる苦境の中ではなおさらだ。またシーズンが始まる。すべての人に対して健闘を祈ろう。

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