モリニューでオリヴィエ・ジルーがネットを揺らすも、勝利には届かず、昨年11月以来のプレミアリーグでの連敗を喫した。
寒さの深まる中、ミッドランドで行われた試合は前半、ゴール前での決定機シーンが見られない展開となった。
ジルーはヘディングシュートが決まらなかったことに苛立ち、クルト・ズマのシュートはクロスバー嫌われた。試合が動いたのは後半だった。
ベン・チルウェルのクロスからベテランストライカーがボレーを放ち均衡を破ったが、リードは長く続かなかった。ダニエル・ポデンスのシュートは、わずかにリース・ジェイムズにあたり角度を変えながらゴール左隅に決まった。
ウルブスは試合が進むにつれ流れを引き寄せ、試合終了間際にペドロ・ネトがカウンターからゴール右隅に流し込み試合を決めた。
スタメン
マテオ・コヴァチッチの代わりにクリスチャン・プリシッチが10月以来のプレミアリーグ先発、カイ・ハフェルツが中盤の中心的な役割に戻った。
顔ぶれが定着しつつあるバックの5人は変わらず、中盤には昨シーズンこの地でゴールを決めたメイソン・マウントとプレミアリーグ欠場なしのエングロ・カンテという構成であった。
ウルブスは土曜日の敗戦から2人メンバーを変更した。ジョアン・モウティーニョがアストンヴィラ戦で退場処分を受けて出場停止となったため、ルベン・ネベスとウィリー・ボリーを起用し、慣れ親しんだ3-4-2-1のシステムに戻した。
序盤立ち上がり
チェルシーはウォルバーハンプトンでの勝利でマージーサイドでの敗戦ムードを払拭すると同時に水曜日の夜、リヴァプールがトッテナムをホームで迎える前に、3ポイントでリーグトップに立つことを目指していた。
3日前、フランク・ランパードの怒りを買ったグディソンでの立ち上がりの失敗を受けて、今夜の序盤の展開は、慎重かつ緊張感のあるものとなった。
ゴール前でエンジンがかかり始めたのは試合開始15分すぎだったプリシッチが左サイドのライン際まで進み、ティモ・ヴェルナーにボールを切り返したが、ヴェルナーはボールをうまく捉えることが出来づ、ゴールには繋がらなかった。慎重な展開の後、チェルシーが試合の主導権を握り始めていた。
コーナーキックからのチャンスメイク
セットプレーは今シーズン、チームの得点源となっている。
コーナーからの7ゴールはプレミアリーグの最高得点である。
前半中盤チルウェルの右サイドからのコーナーもゴールに繋がるかのように見えた。ゴール前で、ジルーがマーカーから逃れてスペースを見つけ、空中のボールにうまく合わせたが、彼のヘディングシュートは、惜しくもバーの上を超えて行った。
エドゥアール・メンディのこの試合最初のプレーは、ホームチームのストライカー、ファビオ・シルバがアウトサイドで流したパスを受けたネトのスマートなボレーしっかりとゴール左側に弾いたものだった。18歳のメンディは、自分の年齢の2倍もあるチアゴ・シルバと共に、足元でのプレーも冷静にこなした。
ハーフタイム終了前には、ウルブスのボックス内外で、さらにいくつかのチャンスがあった。
ひとつはコナー・コーディがハンドボールの VAR チェックを受けた場面、右サイドに顔を出したプリシッチは、ゴールドのシャツに身を包んだディフェンス陣を振り切ってコーナーを獲得した。
マウントがこのコーナーを担当し、ズマがヘディングシュートを放ったが、シュートはクロスバーに阻まれてしまった。週末に2度も枠に嫌われたチェルシーにとって、またしてもという苛立ちの募る瞬間であった。
オリのボレー
統計データは、後半、試合の突破口が開けることを示していた。
昨季開幕以来、リーグ戦、ゴール数の3分の2を後半に記録しているウルブスと、今季のプレミアリーグで最も多くの後半戦でのゴールを記録しているチェルシーが試合の残り時間に臨んだ。
後半の立ち上がりを先制点という最高の形で迎え、チームのゴールは18点に伸び、ジルーにとって2019/20年個人通算得点は8となった。
左サイドを攻め込んでいたチルウェルが、ポスト付近に向かって低いボールを送り込むと、ジルーが強烈なボレーを放った。
ルイ・パトリシオは、この強烈なシュートを抑えたかのように見えたが、ボールは彼の手から離れてしまい、ゴールラインテクノロジーがラインを越えたと判断し、チェルシーのゴールが認められた。
長く続かなかったリード
ブルーズと同じように、ウルブスも後半にギアが入るチームであることは間違いなく、リードを奪われても、彼らの信念は揺らぐことはなかった。すぐにシルバがゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定でゴールは認められなかった。
同点に追いつくまでに、ボールがフロントポストのチアゴ・シウバではなくボリーに当たったにもかかわらず、ウルブズがコーナーを獲得したことで、いくつかの小競り合いがあった。
その後すぐに、メンディはゴールに吸い込まれたボールを拾う羽目になった。ポデンスがチルウェルの内側に切れ込み、ジェイムズに当たったボールがカーブを描いてゴール右隅に決まってしまった。
試合時間残り4分の1、ゲームのバランスは端から端へと変化していったが、最高のチャンスを得たのはウルブスだった。ネウソン・セメドが右ウイングバックの位置からボックス内まで進入した後、決定的な場面でシュートではなく、パスを選択した。
試合時間残り9分、ネトがPKを獲得したが、リプレイの結果、ジェイムズの足には接触していないことが判明し、審判のスチュアート・アットウェルはピッチサイドのモニターを確認した後、判断を変更し、ブルーズは安堵のため息をついた。
決勝点を決めたネト
しかし、その安堵は長くは続かなかった。チェルシーが勝ち点3を求めて攻め込む中、ネトは左サイドを突破し、ズマとの距離をうまく保ちつつゴール右隅、メンディの届かない位置にシュートを決めた。
拮抗した試合は残酷な結果となり、ブルーズは過去4日間の2度のリーグ戦を勝ち点0で終えた。
次戦の予定
このシーズンでは、珍しい6日間の休息を挟んで、来週月曜日ホームで ウェストハムとのロンドン・ダービーを迎える。これで14日間で4つ目のリーグ戦になる。
チェルシー(4-3-3):メンディ;ジェイムズ、ズマ、チアゴ・シルバ(C)、チルウェル;カンテ、マウント、ハフェルツ(コヴァチッチ71);プリシッチ、ジルー(エイブラハム71)、ヴェルナー
サブ: ケパ、アスピリクエタ、リュディガー、ジョルジーニョ、ギルモア
得点: ジルー 49
警告:マウント61、カンテ85
ウォルヴァーハンプトン・ワンダラーズ :ルイ・パトリシオ;ボリー、コーディ(c)、サイス;セメド、デンドンカー(オタソウィh/t)、ネベス、マルカル;ポダンス(ビティーニャ90)、シルヴァ(トラオレ61)、ネト
サブ:ラディ、ホーバー、キルマン、アイト・ヌーリ
得点:ポデンス66、ネト90+5
警告:ポーデンス77、セメド90+4
主審: スチュアート・アットウェル