コラムニスト

ヘンリー・ウィンターが指摘するアスピリクエタの重要性とチェルシーについて

The Times紙のチーフフットボールライターのヘンリー・ウィンター氏がチェルシー公式サイトの独占コラムで、キャプテンのセサル・アスピリクエタへの称賛と来季のタイトル獲得の可能性について寄稿した。

先週末、ポルトからの帰りのフライトで多くのチェルシーサポーターがエスタディオ・ド・ドラガンでの壮絶な一夜の写真を見せてくれた。クラブが公開したものもあれば、自分たち自身で撮ったものもあった。これらの写真はスクリーンセーバーや壁紙、さまざまな壁に飾られる写真となり、これらすべての絵は心の中で永遠となるだろう。チャンピオンズリーグ決勝から一週間が経ったが、その記憶はチェルシーファンの中にいつまでも残り続けるだろう。セサル・アスピリクエタ(または周囲が呼ぶように「デイブ」)はこれらの写真の多くに写っている。それは彼がチェルシーへのコミットメントを象徴する選手だからだ。

2021年のチャンピオンズリーグの決勝戦のように目まぐるしい展開となった試合は、取材する記者にとって、締め切りに間に合うように原稿を仕上げることに追われ、試合内容の印象が曖昧になることがある。数日経ってから、そして2時間ほど飛行機の中でファンと一緒に試合を振り返ってから、初めて全体像が明らかになることが多いのだ。ポルトでの試合を振り返ってみて、印象に残ったのはチェルシーには素晴らしい仲間意識があり、特にそれを体現しているのがアスピリクエタだったということだ。 

メイソン・マウントのタッチとビジョン、カイ・ハフェルツの動きとフィニッシュ、リース・ジェイムズの獰猛なプレー、そしていつものように広い範囲をカバーし、スライディング・タックルで何度もボールを奪ったエンゴロ・カンテなど、チェルシーの強さがこの夜に明らかになり、賞賛された。写真を見ると、ケヴィン・デ・ブラウネはボールがどこに行ったのか、どうやってカンテがボールを奪ったのか理解できない、という混乱しているようだった。トーマス・トゥヘル監督の戦術とアプローチの効果は、試合開始から数分ですでに高く評価されていた。しかし、それと同時に明らかになったのは、チームとクラブが一体となった姿であり、アスピリクエタに象徴されるような目的意識の強さだった。アスピリクエタは、試合後のハフェルツのインタビューに入り込み、その熱意を語った。彼は選手の家族に声をかけ、ハグをして祝福した。アスピリクエタは、チェルシーというチームの中心にいた。

チェルシーのファンは、前半に足を引きずって退場するチアゴ・シウバをアスピリクエタが慰めていた光景を忘れないだろう。股関節を痛めて涙を流すセンターバックにアスピリクエタが寄り添ったのだ。チアゴ自身の反応もまた、チェルシーの精神を表していた。彼は自分を責めることなく、試合の残りの時間、サイドラインから励ましの声をかけていた。そこにも団結力を感じた。フィールドに戻っても、アスピリクエタはチームを活性化させ続け、ブルーのユニフォームを着た人々の思いは、チームの一体感を際立たせていた。

試合終了のホイッスルが吹かれた後の映像を見ると、その一体感がさらによくわかる。セルヒオ・アグエロが呆然と立ち尽くし、腰に手を当てて悲嘆に暮れている横をクル・ズマがカンテを抱えて通り過ぎていった。タッチラインでは、トゥヘルがスタッフに囲まれ、歓喜の声を上げていた。マンチェスター・シティに対抗するための準備、自分たちのチームが規律と決意を持って守るための準備など、これまでの苦労が報われたのだ。彼らが植え付けたチーム倫理により、チェルシーは最後の数分間の試練と、永遠に続くかのようなロスタイムを乗り越えた。

ファンの写真を見ると、アスピリクエタがビッグイヤーを受け取り、優しくキスをし、ステージから降りてきて、選手たちのところに駆け寄り、一緒にその瞬間を過ごし、トロフィーを高く掲げている。チェルシーの一体感を最も如実に表していたのは、ファンの前での出来事だった。パンデミックのために何ヶ月も離れていた彼らと特別な再会を果たしたのである。長い間不在であったがゆえに心臓の鼓動が速くなる。

スタンドとドレッシングルームが一体となった瞬間だった。アスピリクエタは、チャンピオンズリーグのトロフィーを再び青い天に向けた。今回はファンとの距離が近く、オリヴィエ・ジルーがキャプテンを持ち上げたことで、さらに高くなった。リース・ジェイムズ、ハフェルツと、選手たちは一人ずつトロフィーを掲げていった。一人一人の選手がファンから祝福を受ける。クラブが一つになった。背後では、カンテをアントニオ・リュディガー、ズマ、ジルー、タミー・エイブラハムが愛情をこめてもみくちゃにする。カンテは試合中はもちろんのこと、試合終了のホイッスルが吹かれた後も、ほとんど足を踏み間違えることはなかった。

ファンやクラブの写真のどこを見ても、この一体感が鮮明に映し出されていた。トゥヘルとオーナーのローマン・アブラモヴィッチとの初対面もあった。初対面にしては上出来だろう。チアゴがトゥヘルに抱きついていた。この2人が昨シーズンのリスボンでの決勝戦でパリ・サン=ジェルマンが敗れたときに苦悩を分かち合ってから1年が経過した。そして今ここに栄光がある。諦めないことが報われた。

夜が更けるにつれ、選手たちの写真も増えていった。マウントはチェルシーに入団したばかりの頃の写真を投稿した。青いユニフォームを着て微笑んでいた子供から、チャンピオンズリーグを手にした男になったのだ。また、ジェイムズは、アカデミーでの経験を綴った写真を投稿した。この喜びに満ちた画像は本当に貴重だ。家族やコーチのサポートを受けながら、献身的に努力することで才能を開花させることができることを示している。これらはチェルシーアカデミーの素晴らしい宣伝となるだろう。アスピリクエタと同様に、マウントとジェイムズはチェルシーを緊密に結びつける一体感を示している。

これから先、これらの写真は来シーズンのプレミアリーグにおいてチェルシーがどの相手にとっても脅威となることを示している。才能と結束力は強力な組み合わせとなるのだ。

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