最近の5試合中4試合でハーフタイムに選手交代を行ったトーマス・トゥヘルは、試合中に勇気ある決断を下すためには、ドレッシングルームでの信頼関係が非常に重要である理由を説明した。
特にアンフィールドでのリース・ジェイムズのレッドカードの後の交代はそうだったが、トゥヘルがこの数週間、早い段階で効果的に選手を入れ替えていることが注目を浴びている。
先週末のトッテナム戦では、メイソン・マウントに代えてエンゴロ・カンテを投入したことにより、後半はテンポが良くなり、結果3-0で勝利することができた。
同様に、その前のプレミアリーグの試合では、サウール・ニゲスに代えてジョルジーニョを起用した。また、リヴァプール戦では、厳しい状況を想定して守備を強化するためにチアゴ・シウバとマテオ・コヴァチッチを後半開始から投入した。
このような変化、そしてそれがプレーの改善と好結果に結実したことで、監督への称賛の声が上がっているが、後に残る影響を心配せずにこのような迅速な判断を行うことができるのは、チームの信頼感と一体感があってこそだと彼は認めている。
「自信があるときは、こういった判断をする勇気があり、それを自由にできると思っているけど、選手たちに安心感を与える必要がある。早い段階での選手交代がチームにどんな影響を与えるのか?口論になったり、気まずい状況になったりしないだろうか?自分は、選手たちがオープンで、謙虚に監督の指示を受け入れてくれることに満足しているし、それが大きな助けになっている。監督として指示を出すときは、自分の役割に徹しているからその後の影響についてはあまり考えないようにしている。」
トーマス・トゥヘルは、選手とスタッフの間に信頼関係が築かれていることで、個人的な判断は一切せず、その時々のチームを改善するためだけに決断を下している。すべての決定事項を後に説明することで、選手たちは恨みや誤解を抱くことなく理解し、前に進むことができるのだ。
‘「自分は、周りが感情的になった状況を経験したことがない。信頼される存在でありたいと思っているし、チームのためになると確信したら、それを実行する。自分にはその自由があり、チームからの信頼もある。それは、誰かを敵視したり、指をくわえて見ているのではなく、ただその時の状況を改善したいと思っているだけなんだ。一部の選手を落胆させることになるかもしれないけど、監督はそういう判断をすべきで、その背景にある考えを説明して、選手たちはそれに納得するべきだと思っている。たぶん、その後の選手への接し方も重要だろうね。ハーフタイムに交代された、あるいは悪い試合をしたからといって、3週間も話をしないというようなことはない。そうではないし、そうならないように気をつけたい。」
今日の試合では、2試合負傷していたエドゥアール・メンディが先発メンバーに復帰する予定だ。ケパ・アリサバラガは、スパーズ戦でのクリーンシートやカラバオカップでのアストンヴィラ戦でのPKセーブなど、その2試合で優れた活躍を見せているが、トゥヘル監督は、彼がそのような判断を受け入れることを断言する。そして、ここでもまた効果的なコミュニケーションが重要な役割を果たしている。
「状況ははっきりしている。今のところ、メンディが1番で、彼は99%ではなく100%でプレーできる状態にあるから試合に出場する。厳しく聞こえるかもしれないけど、個人的な恨みはない。ケパは素晴らしいGKで、彼がチームにいることは良いことだ。彼が毎日トレーニングで見せているものを試合で発揮したことがとても嬉しかったし、彼を極限まで追い込むようにしている。」
「事前に話をしておかないと状況が難しくなることもあるかもしれないけど、話をしたのではっきりしている。彼が良いプレーができるのは、彼の調子が良いからであって、そうでなければこのようなパフォーマンスをすることはできない。彼らはお互いに切磋琢磨し、ともに喜び、正GKの座を狙う2人の友人のようにふるまう。状況はとても明確で、彼らは冷静だ。」