クラブ初のプレミアリーグ優勝達成から15年を数える今週、チェルシーの新記録についに区切りがついた一戦を振り返っていこう…
ノリッチ・シティとのアウェイゲームを迎えた2005年3月頭、チェルシーはリーグ首位独走体制で、12月から続く連続無失点記録を継続させていた。
ペトル・チェフをゴールマウスに置く守備陣の堅牢ぶり、そしてクロード・マケレレの職人技が光り、2-2で引き分けたアーセナル戦以降1024分間失点を防いでいたチェルシー。
「スパルタ・プラハ時代には10試合連続のクリーンシートを達成していたんだ」と振り返るチェフ。「でもここの守備陣は特別だね。全員が素晴らしい選手で、とにかく堅い。プレミアリーグの強豪相手にも崩れないからね」
「これだけのビッグクラブに加入して、いきなりこんな順調に行くとはね。もちろん正ゴールキーパーの座を狙ってはいたが、その上ここまでとは予想してなかった」
熱気のこもったキャロウ・ロードの雰囲気も、好調チェルシーは臆すことなくジョー・コールが勢いそのままに先制点を記録する。
モウリーニョ政権で化けた選手のひとりが、このジョー・コールだ。負傷離脱したアリイェン・ロッベンの穴を埋める活躍ぶりで、献身的なプレーからボールを奪うと自らネットを揺らした。左足の強烈なシュートがロブ・グリーンを破っている。
途中交代では結果を残してきたコールは、ついに初めてスタメン出場からゴールを決めたのだった。
続いて間もなく、チェフは無失点記録1000分を達成。1979年、レディングGKのスティーヴ・デスの1103分無失点のイギリス最長記録へと迫る。
さらに記録を延ばすべく、危険な場面もしっかり防ぎ切るチェルシー。この3ヶ月間同様、この日も無失点で切り抜け記録を継続させる気持ちを見せた。
「記録が近づくにつれて、まずは1000分は達成したいと考えていた」と話すチェフ。「だからまずは達成できて嬉しかったよ」
しかしシンプルなクロスからついに失点。2005年に入ってからのプレミアリーグ初失点に、モウリーニョはチアゴ、ディディエ・ドログバに代えてマテヤ・ケジュマン、アイドゥール・グジョンセンを投入して反撃を図る。
簡単には崩れないチェルシーは、久しぶりの失点から7分後、すぐにリードを奪い返す。
のちに"金髪のマラドーナ"と評されるグジョンセンは、これまでと異なる役割から華麗なラストパス。フランク・ランパードがこれに反応しシュートすると、こぼれ球に反応したケジュマンが押し込む。これがオープンプレーからはプレミアリーグ初ゴールとなった。
さらにリカルド・カルヴァーリョの追加点も決まり、16度目にしてようやくノリッチ相手にリーグダブルも達成。1試合消化有利な状況で、さらに勝ち点8差をつけたのだった。