FAカップ決勝でレスターに僅差で敗れたチェルシー。トーマス・トゥヘルの下での初トロフィー獲得は今回はお預けとなった。

試合のほとんどの時間ポゼッションで上回ったチェルシーだったが、相手GKのセーブ、ポスト、そしてVAR判定により得点することができなかった。そしてレスターはこの試合唯一の枠内へのシュートを決めてスタジアムのチェルシーファンを落胆させた。

前半は両チームともにゴール前でほとんどチャンスをつくれなかった。後半に入ってチェルシーがより積極的なプレーを見せていたが、得点を挙げたのはレスターの方だった。このゴールは何もないところから生まれた。ユーリ・ティーレマンスが長距離から放った強烈なシュートがケパ・アリサバラガの届かないゴール左隅に突きささった。

その後チェルシーが主導権を握り、メイソン・マウントが強烈なボレーシュートを打ったが、これはシュマイケルのファインセーブに阻まれた。また、ベンチから出場したベン・チルウェルもヘディングシュートでゴールを狙ったが、これはポストに当たって外れてしまう。89分にはチアゴ・シウバのパスを受けたチルウェルがボールをゴールに押し込んだが、VARによってオフサイドの判定となった。

今回はウェンブリーでトロフィーを獲得することができなかったが、シーズン終了までにチャンピオンズリーグというもう一つのチャンスがある。さらに火曜日のリーグ戦ではホームのブリッジでレスター相手に雪辱を晴らす機会があるだろう。

トーマス・トゥヘルは敗戦に終わったアーセナルの試合から、マルコス・アロンソを含め5人の選手を入れ替えた。彼の他にもチアゴ・シウバ、アントニオ・リュディガー、主将のセサル・アスピリクエタとリース・ジェイムズが入り、準決勝と同じ布陣となったが、今回はリース・ジェイムズがCB、アスピリクエタが右WBとしてプレーした。

試合前にトゥヘル監督が示したとおり、ケパ・アリサバラガが引き続き出場し、中盤では週半ばに負傷したかかとの痛みから回復したエンゴロ・カンテがジョルジーニョとコンビを組んだ。

攻撃ではティモ・ヴェルナーのサポート役にメイソン・マウントとハキム・ツィエクが入った。

レスターのキックオフで始まったこの試合、新しいホームキットを初めて着用したチェルシーが開始90秒でティモ・ヴェルナーが2度も右サイドでフリーになるなど、序盤から緊迫した雰囲気の展開となる。最初はリース・ジェームズのスローインからで、次にメイソン・マウントが中央からうまくパスを通したが、いずれもヴェルナーの低いクロスに対応する味方がエリア内におらずフォックスにクリアされる。

序盤からスペースを突くチェルシー

序盤はブルーズの長いポゼッションが続き、トゥヘルもタッチラインから選手たちを称える。その結果、右からのCKが何度も続くがチャンスを作ることはできない。

レスターはポゼッションを放棄し、ジェイミー・バーディやケレチ・イヘアナチョにすぐにボールをフィードするが、開始から10分後にはアントニオ・リュディガーとこの試合CBを務めたジェイムズが安定した守備を見せるようになる。

試合開始から約15分後、リュディガーがこの試合初めてとなる低い弾道のシュートを放つが、うまくミートできず左ポストを大きく外れる。

しかし、レスターはすぐに反撃に出た。ヴァーディがティモシー・カスターニュの低いクロスをペナルティスポット付近で合わせたが、これはチアゴ・シウバがブロックした。

いつものカップ戦のような晴天とは程遠く大雨が降るウェンブリーで、チェルシーは試合の大部分を支配する。ジョルジーニョが相手エリア内にいたセサル・アスピリクエタにボールを送り、マウントが素晴らしいボールさばきでアスピリクエタとのコンビネーションを見せた後にシュートを放つが、これはブロックされる。

さらにその直後、マウントはチアゴ・シウバから足元にボールを受けた後、振り向きざまにドリブルを仕掛け、エリア端から左足で低めのシュートを放ったが、これは相手に当たり惜しくもニアポストをかすめる。その後、ヴェルナーが同じような位置からシュートを打つなど、チェルシーはチャンスがあればゴールを狙っていた。

チャンスをものにできないブルーズ

さらに、リュディガーとチアゴ・シルバのパス交換からのクロスはヴェルナーがうまく合わせることができず、アスピリクエタもわずかに届かない。30分が経過してもスコアは0-0のままだったが、ボールをキープしてチャンスをつくったのはブルーズだった。

その後、3試合ぶりに復帰したレスターのDFジョニー・エヴァンズが負傷して長い時間試合が中断される。そしてそのすぐ後にウェスリー・フォファナがこの日初めてのイエローカードを受けた。

さらに、ハキム・ツィエクの巧みなパスを受けたヴェルナーだったが、ボールを追いスライディングを試みた際に警告を受けた。

レスターは前半終盤にチャンスを掴むが、セットプレーからのチャグラル・ソユンクのヘディングシュートはニアポストをかすめ枠を外れ、一方のチェルシーもヴェルナーのシュートが枠外と、両チームともに枠内にシュートを打てずに前半を終えた。

後半に入っても流れは変わらず、53分にエンゴロ・カンテの右からのクロスからマルコス・アロンソが頭で合わせるが、シュートに勢いはなくシュマイケルに簡単に止められる。

レスターは少しずつ主導権を掴み、初めてチェルシーのハーフでプレーを続ける時間帯があったが、何度か危険なクロスを放った以外は、ケパを脅かせず、逆にチェルシーもチャンスを掴めずにいた。

しかし、レスターの初めての枠内へのシュートは最初に放ったシュートは止められないものだった。ユーリ・ティーレマンスが長距離から放った強烈なシュートがケパ・アリサバラガの届かないゴール左隅に突きささった。

反撃するブルーズ

その後、トゥヘルはアロンソに代えレスターから加入したベン・チルウェルを起用し、さらにツィエクに代え昨シーズンのFAカップ決勝で得点したクリスチャン・プリシッチを投入した。

チェルシーは残り20分で同点に追いつこうとすぐに攻撃に出る。交代出場したプリシッチが右サイドで2人のディフェンダーをかわしてクロスを上げたが、これは相手に当たり再度CKとなる。

続いて、ジョルジーニョとアスピリクエタを下げカイ・ハフェルツとカラム・ハドソン=オドイを投入し、より攻撃的な布陣を組む。

これが功を奏し、カンテがボックス内でフリーになりファーポストにボールを送ると、チルウェルが頭で合わせたが、このシュートはシュマイケルが指先ではじき、さらにポストに当たりゴールを外れる。

試合終了間際の最後の試みとして、ヴェルナーに代わって、ウェンブリーで何度も英雄となったオリヴィエ・ジルーが入りチェルシーの攻撃をリードする。しかし、チェルシーはレスターのファイナルサードで長時間プレーするが明確なチャンスを作るためのエリア内のスペースを見つけるのに苦労する。

この試合では終了のホイッスルが鳴るまでにトロフィーの行方を決める最後のチャンスがあるように感じられた。

そしてジェイムズのクロスからエリア内のマウントが左足で強烈なボレーシュートを放ったときには、それが実現したかのように見えたが、シュマイケルが左手ではじきゴールとはならず、マウントは頭を抱えて呆然とする。

さらに、チアゴ・シウバのパスにチウェルが反応し、レスターのDFがクリアを失敗し、ボールはチルウェルの後ろに跳ね返ってゴールに吸い込まれた。

しかし、このゴールはVARによってオフサイドの判定が下される。チェルシーは5分間のアディショナルタイムでシュマイケルを破ることができず、残念ながらトロフィーを獲得することなくウェンブリーを後にした。

今後の予定

3日後にリーグ戦でレスターとブリッジで再会する(火曜日午後8時15分)。リーグ戦は残り2試合で、最終節は日曜日の午後4時にアウェーにてアストンビラと対戦する。

チェルシー(3-4-3):ケパ;ジェイムズ、シウバ、リュディガー;アスピリクエタ(C)(ハドソン=オドイ76)、カンテ、ジョルジーニョ(ハフェルツ76)、アロンソ(チルウェル68);ツィエク(プリシッチ68)、マウント、ヴェルナー(ジルー82)

サブ:メンディ、ズマ、エメルソン、ギルモア

警告:ヴェルナー40

レスター(3-4-1-2):シュマイケル(C);フォファナ、エヴァンズ(オルブライトン33)、ソユンク;カスターニュ、ディディ、ティーレマンス、トーマス(モーガン82);ペレス(チョードゥリー82);イヘアナチョ(マディソン68)、ヴァーディ

サブ:ワード、メンディ、プラート、アマルテイ、ペレイラ

得点:ティーレマンス63

警告:フォファナ35

主審:マイケル・オリバー