本日、オリヴィエ・ジルーのACミランへの完全移籍の手続きが完了しました。
2018年1月にアーセナルから期限付き移籍で加入したジルーのブルーズでのキャリアは、3年半で終止符が打たれることになりました。今回の移籍についてジルーは次のようにコメントしています。「自分の目標はトロフィーを獲得すること。そのためにサッカーをしている。競争が好きだし、何度も何度も勝ちたいと思っている。」
ジルーはチェルシーにてFAカップ、ヨーロッパリーグ、チャンピオンズリーグを制覇し、FAカップ準決勝、ヨーロッパリーグ決勝で得点し、昨シーズンのチャンピオンズリーグではアウェーのアトレティコ・マドリード戦でシーズンベストゴールとなるオーバーヘッドシュートを決めました。さらに、この時期にフランス代表としてワールドカップ優勝も果たしています。
ジルーは、アーセナルで5年半過ごし、トップストライカーの実績を持ってライバルチームのチェルシーに入団しました。アントニオ・コンテ監督の下でデビューしたジルーは、ワトフォードとのアウェー戦でデビューした後、FAカップのハル・シティ戦で4-0の勝利を収め、クラブでの初ゴールを記録しました。このカップ戦での活躍が、彼のチェルシーでのキャリアを決定づけたのでした。
4月にブルーズ入団後初めてプレミアリーグでゴールを決め、特にサウサンプトン戦の後半に決めた2得点は、2-0からの逆転劇をもたらしました。その1週間後にウェンブリーで行われた同じ相手との試合では、個人技からセインツのディフェンスをかわして見事なゴールを決め、FAカップ準決勝での勝利に貢献しました。
5月にウェンブリーに戻ってきたときには、彼の献身的で効果的なパフォーマンスにより、マンチェスター・ユナイテッドを1-0で破り、キャリア4つ目のタイトルを獲得しました。その2週間前には、ブリッジで行われたリヴァプールとのリーグ戦で見事なヘディングシュートを決めて接戦を制しました。彼はブルーズでの半シーズンで5ゴールを記録しました。
2018年の夏、フランス代表としてロシア・ワールドカップに出場したジルーは、得点こそなかったもののチームに少なからず影響を与えました。彼は全試合に出場し、グループリーグ第2戦以降の6試合すべてで先発、レ・ブルーは2度目の世界王者に輝きました。
ジルーは決勝までプレーしていたため、マウリツィオ・サッリ新監督の下でのプレシーズンはトレーニングへの参加が遅れ、その結果開幕から出場するまでに時間がかかりました。2018/19シーズン、ジルーが最も活躍したのは欧州でのことでした。
ヨーロッパリーグのバテ・ボリソフ戦ではシーズン初得点となるヘディングシュートを決め、ブリッジで行われたパオク戦では、4-0の大勝の2点目を決めました。12月のモル・ヴィディ戦では、終盤にフリーキックを決めて2-2で引き分け勝ち点1を獲得し、グループリーグ突破を決めました。
国内ではゴールがなかなか決まらない中、ジルーはヨーロッパにて大きな影響力を持ち続けました。ノックアウトラウンドでは、マルメとのアウェー戦で勝ち越しゴールを決め、ラウンド16ではディナモ・キエフとのアウェー戦でハットトリックを達成し、チームは8-0の大勝を収めました。
さらに、スラビア・プラハとの7ゴールの大接戦を制して準決勝進出を決め、バクーでの決勝戦では、かつて所属していたアーセナルとの対戦で難しい角度からの見事なヘディングシュートを決め均衡を破り、ヨーロッパリーグ制覇に貢献しました。
ブルーズはガナーズを4-1で破り、ジルーはこのヘディングシュートで今季11ゴール目を挙げ、ヨーロッパリーグ得点王となり、最もふさわしいトロフィーを手にしました。また、このタイトルは彼にとって初めてのヨーロッパでの栄誉であり、さらにその3か月後にはイスタンブールで行われたスーパーカップ対リヴァプール戦で2つ目のカップを獲得しました。
このときも、プリシッチの巧みなアシストからジルーが落ち着いてゴールを決め、ユルゲン・クロップ監督率いるリヴァプールと2-2で延長戦を終え、PK戦の末に勝利を収めました。
その後、2019/20シーズンの前半戦では、フランク・ランパード監督の下でタミー・エイブラハムが先発することが多くなり、彼の出番は限られたものとなりましたが、ウィンターブレイク後は出場機会を増やし大きく活躍しました。
2020年2月のトッテナム戦では巧みにゴールを決め、FAカップではリヴァプール戦の勝利に貢献し、パンデミックによりシーズンが中断する前の最後の試合となったエヴァートン戦でもネットを揺らしました。
再開後の彼の貢献度は絶大で、トップ4入りを決めた最終節の1ゴールを含むリーグ戦9試合で6ゴール、さらにFAカップ準決勝のマンU戦でもゴールを決めました。
2020/21シーズンには攻撃陣に新たな選手が加わり、ジルーは再びポジション争いに巻き込まれることになりましたが、特にヨーロッパの舞台で再び活躍し、リーグ・カップ戦合わせてチームの得点ランキングで3位になりました。
チャンピオンズリーグのグループリーグ、レンヌ戦では土壇場で決勝点を挙げ、セビーリャ戦の4-0での全得点を含め、8試合で8得点を記録しました。
ベスト16のアトレティコ・マドリード戦では、重要な局面でアウェーでの勝利を決定づける彼にとってブルーズで最も印象に残るオーバーヘッドシュートを決めました。このジルーにとってチェルシーでの最後のゴールは、サポーターから20/21シーズンのクラブのベストゴールに選ばれました。
決勝戦ではベンチからの出場はなかったものの、34歳の彼がチャンピオンズリーグ優勝に大きく貢献したことは間違いありません。
オリヴィエは、チェルシーで119試合に出場し、そのうち59試合は途中出場、39ゴール、そして3つのトロフィーを獲得してロンドンSW6での生活を終えました。彼の貢献に感謝するとともに、今後の活躍を願っています。