Euro 2020でのイングランド対ドイツの試合は、チェルシーの選手たちにとって複雑なものだったろう。そしてカイ・ハフェルツが出場したドイツはこの敗戦により大会を去ることになった。

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ディフェンスと攻撃の間のスペースにうまく入り込み多くのチャンスをつくったハフェルツはこの日、そしておそらく大会を通じて、ドイツのベストプレーヤーだったと言えるだろう。

ハフェルツは、ブルーズのチームメイトであるヴェルナーに絶妙なパスを送ったが、このチャンスはイングランド代表GKジョーダン・ピックフォードのファインプレーに阻まれた。

スターリングの先制点から間もなく、トーマス・ミュラーが1対1の決定機を逃すなど、ホームチームの方がより正確なプレーを見せた。ミュラーのチャンスが試合の勝負を決めたように見えたが、ハフェルツはチーム全体としてファイナルサードでもっと力を発揮する必要があったと強調した。

「トーマスだけでなく攻撃陣全員に良いチャンスがあった。チーム全体の問題だ。もっとチャンスを作れたはずだけど、それができなかったからとても悔しい。」

大会後にドイツ代表監督を辞任することを表明していたヨアヒム・レーヴ監督だが、残念ながら有終の美を飾ることはできなかった。しかしハフェルツは、歓喜に沸くウェンブリーでイングランドに敗れたことが痛恨の極みであったとしても、15年間にわたって監督を務めてきた功績はそれ以上のものであると主張した。

「非常に厳しい結果だ。ドイツにとってレーヴ監督は史上最高の監督だった。国全体が素晴らしいキャリアを築いた彼のことを誇りに思っているし、選手たちもそうだ。いい結果が出なくて非常に落胆しているけど、彼は素晴らしい監督で、人間としてもみんなが敬っている。イングランドは良い選手が揃ったチームだけど、それはドイツも同じだから、試合に負けたことに非常にがっかりしている。残念だけどこれからも前に進んでいきたい。」