スタンフォードブリッジで7年間にわたり活躍し、1年間をリールへのローンで過ごしたジョー・コール。チャンピオンズリーグの一戦に向け、自身の経験を話してくれた…

優雅に、賢く、そして信じられないテクニックが武器のジョー・コールは海外でのプレーにも前向きだった。ロンドンのカムデン・タウンで育ったコールにとって海を渡る挑戦は大きなものだっただろう。

7年間在籍したブルーズでは6つの主要タイトルを獲得。2009/10シーズンにはシーズン2冠に貢献した。しかしリヴァプールでは順風満帆とはならず、ファーストシーズンのリーグ戦スタメン出場数はわずか9試合だ。このシーズン、リヴァプールはプレミアリーグ6位に終わっている。

その後リールへローン加入したコール。リールはその前のシーズンにリーグアン制覇を成し遂げていた。

「チームはリーグ制覇をしたばかりで、チャンピオンズリーグにも戻ってきた。クラブ全体にとって大きな影響があっただろうね」コールは当時を振り返る。「チームには若い選手が数多くいたよ - マテュー・ドゥビュシー、リュカ・ディニュ、イドリッサ・ゲイェ、エデン・アザール、ディミトリ・パイェといった選手だね。質の高い選手が揃っていたんだ」

リール加入後、瞬く間にファンの心を掴んだコール。若きアザールとともに魅力的な攻撃を展開してみせた。コールのプレーを間近で見たアザールは、シーズン終了後にチェルシーへの加入を決めている。このシーズンには9度ネットを揺らし、アシストでも2桁を記録したコール。ルディ・ガルシア監督率いるリールはモンペリエ、PSGに次ぐ3位でシーズンを終えた。

身体的にも、戦術的にもリーグに馴染む必要があったと語るコール。特に戦術面においては、熱狂的なプレミアリーグとは違った場面があったようだ。

「タイトル獲得はできなかったけど、チャンピオンズリーグ出場権を手にいれることができた。リールはビッグクラブだから、それを目標にしていたよ。新スタジアムはすごいね。育成システムのレベルは高いし、トレーニンググラウンドも素晴らしいものだ。クラブは街の中心にあって、フットボールをする最高の環境が揃っているよ。良い思い出ばかりだね」

「リーグアンはレベルの高いリーグで、身体的に非常にタフだと感じたよ。戦術の面でも多くを学んだ。自分が離れてからは、少しの浮き沈みがあったね。今のリーグアンは少し変わっていて、2位になることは優勝のようなものだよ。PSGがとても強いからね」

コールはリールにやってきた時、イングランドでの感覚を取り去ろうとしていた。彼は地元の文化を受け入れ、自身の妻と共にフランス語を学び、フランスでの生活を楽しんだ。

「イングランド人が海外に行くと、ビール飲んだりカラオケしてるだけの人間だって思われがちだけど、自分にとってそういった見られ方を変えるチャンスだと思ったんだ」と2011年にコールは話している。

「自分はいつも海外でプレーしたいと思っていた。フランスでプレーすることになるとは思ってもいなかったけどね」と自身のインタビューでコメントしたコール。「自分はこの街が大好きだった。美しい街並みだったよ。フランスの言語と文化を学ぶことを楽しむことができた。長い間フランスで過ごしたかった。心からそう思っていたね。でも、ローン契約が切れて、リヴァプールに戻ったんだ。もっとフランスでプレーするべきだったね」

フランスのフットボールはパワーと戦術が混ざり合って高度なものとなっているため、コールはブルーズがチャンピオンズリーグで顔を合わせるリールとの第2戦に注意を払って臨まなければならないと考えているようだ。チェルシーとリールはミードウィークに行われた初戦を落としている。そのため勝ち点はいつも以上の意味を持つはずだ。

代表でのプレーを思い出したね。ヨーロッパのフットボールをたくさん経験していたから、フランスのリーグについてはある程度知っていたんだ。」コールは加えた。「イングランドとは試合の流れが違うよ。プレミアリーグはユニークだからね」

「リーグアンは体格の大きなアフリカ系のプレイヤーがいることもあって、パワフルなチームがいくつかあったね。でも、テクニックはとても素晴らしいんだ。彼らはテクニックを重視する」

チェルシーで背番号10を身につけたコールは、古巣がチャンピオンズリーグの舞台に復帰したことを喜んでいる。一方で、自身のキャリアを振り返ると特別な想いがあるようだ。

「チェルシーはチャンピオンズリーグでプレーするのに値するよ。ヨーロッパでも強豪のひとつだし、過去20年間で歴史に名を刻んできた。だからこそ、チャンピオンズリーグに出場し続けなければいけないんだ」

「チャンピオンズリーグは自分にとってフックに引っかかった魚を逃してしまうようなものなんだ。準決勝は4回、決勝は1回経験している。だからあと少しのところで優勝を取り逃がしている。ミュンヘンでチェルシーが優勝を果たした時はブルーズファンの一員として狂ったように喜んでいた。サポーター、自分の元チームメイトにとっても幸せなことだっただろうね。でも、5.6年前、自分がチェルシーに在籍していた頃は優勝を果たすことが出来ず、ひどく落ち込んだよ」

「もちろん、タイトルを獲得出来ていたらとても幸せだったろうね。でもそれは叶わなかったんだ。最高の試合ができたときもあったし、子どもの頃に応援していたクラブの選手としてチャンピオンズリーグに出場できたことを誇りに思うよ」