代表に召集されていた選手たちは、今週コブハムに戻って来るが、ブルーズのレジェンド、パット・ネヴィンによると中には問題を抱える選手もいそうだ。
チェルシーの選手は国際的なシーンにおいて、どこを見てもそれぞれの国で最も重要な役割を果たしている。ブラジルではチアゴ・シルバが真のリーダーを担い、イタリアではジョルジーニョがプレーのテンポをコントロールしている。ドイツではティモ・ヴェルナーやカイ・ハフェルツが得点を挙げ、トニ・リュディガーがセンターバックとして活躍し、デンマークではアンドレアス・クリステンセンがクリーンシートを達成するなど、試合を重ねるごとにチームへの影響力を増している。
このように、チェルシーの選手たちが自国の代表で頼りになる存在として認識されていることは明白だ。
ベン・チルウェルがイングランド代表のゴールを決めたのは、我らがレフティーにとって素晴らしい瞬間だった。昨シーズンの終盤に活躍して以来、ベンにとってはここのところは順風満帆とは言えなかったが、最近ブルーズで調子を上げ、イングランド代表での初得点でこの時期を完璧に締めくくった。
特定の選手が代表戦に参加すると、怪我をしてしまうのではないかとちょっとしたもやもやとした気分になるが、ベンに見られるように、ほとんどの場合それはプラスの効果をもたらす。
ブレーク前、ブリッジでの最後の試合となったサウサンプトン戦では、ベンとティモがともに重要なゴールを決めた。彼らにはちょっとした後押しが必要だった。そういう時は、ゴールを決めることが大きな自信をもたらすだろうし、それが2人に良い影響を与えているのは明らかだ。2人の自信が高まり、それが彼らのプレーに大きな違いをもたらしている。
私は、2人とも少しずつ自信をつけていく必要があると思っていたし、何より本人たちもそれを自覚していただろうが、幸いなことに、この2試合で彼らは前向きなプレーを見せてくれた。今、フィールドに立つ2人がともに一回り大きくなったように見えるが、これからの試合を考えるとこれは素晴らしいニュースだろう。
関連して、アンドラ戦でタミー・エイブラハムがゴールを決めたことを喜べないブルーズのファンはほとんどいないだろう。フィカヨ・トモリと並んで、彼らは常にブルーズの一員である。ソーシャルメディア上で、チェルシーファンが2人を肯定的に評価しているのは素晴らしいことだ。
イングランド代表のメイソン・マウントは、もっと難しい試合であればスタメンで起用されていたことは間違いないが、チェルシー・アカデミーで育った選手の質の高さを改めて証明してくれた。パレスのコナー・ギャラガーの活躍に加え、ルベン・ロフタス=チーク、リース・ジェイムズ、カラム・ハドソン=オドイなど、トップチームで起用されている選手たちのことを考えると、今、地球上で、チェルシーよりも多くのトップクオリティーの若いサッカー選手を輩出しているクラブがあるとは言い難い。
ツイッターで「アカデミーにバロンドールはあるのか?」という質問があった。もしあるとしたら、コブハムは絶対に選ばれるだろう。皮肉めいたツイートだったかもしれないが、その指摘は的を射ていた。最近では、トレヴォ・チャロバーが本格的な先発オプションとして台頭してきており、これからも質の高い若手の輩出は、すぐに止まることはなさそうだ。
今週、私がBBCで取材したハンプデン・パークでの試合で、またしてもチェルシー効果が見られた。スコットランドがイスラエルを相手に96分で3-2の勝利を収め、ワールドカップへの望みをつないだのだから、スコットランド人としては、素晴らしい試合と驚異的な雰囲気に酔わないわけにはいかない。チェルシーのレジェンドであり、私のチームメイトでもあるスティービー・クラークが監督として的確な采配を振るっていたことを考えれば、なぜ私の気分がこれほどいいのかがわかるだろう。私は大声で叫んだために喉が痛くなり、試合が終わる頃には笑いすぎて顔も痛くなっていた。実際、勝利のゴールを決めたとき、クラークが喜びのダンスをしていたのを見て確信した。本当に踊っていたんだ。
その中で、ペナルティを獲得し、フィールド上で最高の選手の一人となったのが、我らがビリー・ギルモアだった。ここでもチェルシーの影響は無視できなかった。プレミアリーグで勝ち点を稼げないノリッチへのレンタル移籍は、ビリーにとって容易なことではないだろうが、彼が逆境にどう対処するかを見ることは重要である。プレッシャーやネガティブな雰囲気の中で萎縮してしまう選手もいるが、ビリーは精一杯プレーしている。ハムデンの歴史に残る名勝負での彼の活躍は、どんなに苦しんでいても、レンタル移籍がポジティブなものであることを物語っている。
代表戦が終わり、ロンドンに戻ってきた選手たちがどのようなコンディションであるか見極めるのはいつものことだが、チーム全体のことを考えると、それほど心配する必要はなさそうだ。もちろん、誰も怪我してほしくはないが、クラブの選手層の厚さを考えれば、ライバルたちよりも緊張感は少ないはずだ。
この週末の試合は、そのスタイルや背景からして、最近のプレミアリーグの中では国際試合とは程遠いものかもしれない。ブレントフォードは、スパーズ、アーセナル、ウェストハム、クリスタルパレスに続く、プレミアリーグにおけるロンドン・ダービーの一つである。ワトフォードをここに加えるべきかどうかはわからないが、正直なところ、私がプレーしたときには本当のロンドン・ダービーのようには感じられなかった。ブレントフォードはもはや未知数ではないかもしれないが、他のチームに比べて馴染みが薄いのは確かで、危険性は孕んでいる。
ブルーズは彼らを軽く見てはいないだろうが、アーセナルやウェストハムもそうだった。しかし、トップリーグのニューカマーは、名門チームを驚かせ、ロンドンのライバル2チーム相手に6ポイントをすべて獲得した。ビーズには、伝染するような楽しい興奮がある。恐れを知らない彼らのスタイルを見れば、ほとんどの週で彼らに勝ってほしいと思っていることを認めても構わないだろう。
私はハムデン・パークで、ここ何年かで最高にエキサイティングな試合を観戦したが、週末の試合が素晴らしいものになっても驚かないだろう。トーマス・フランクとの初めてのプレミアリーグでの対戦は、トーマス・トゥヘルにとって新たな戦術的な課題となるかもしれない。幸いなことに、我らがトーマスは戦術のエキスパートであることを証明しており、その分野においてはおそらく誰にも負けないだろう。