多くの選手たちがチャンスを掴み躍進する中、チェルシーのレジェンド、パット・ネヴィンは彼らの出場機会が増えていることに喜びを感じているようだ。

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難しい局面のないシーズンなどない。大事なのは、自信を失わずに立ち直ることだ。そして今、これほどまでに自信に満ちた選手たちはいないだろう。トーマス・トゥヘルは、今回もまた、チーム内で選手たちを探し回る必要があったが、得たものは非常に大きかった。

プレミアリーグの試合で3ゴールを決めた選手が注目を浴びるのは当然で、私も彼を称賛しているが、メイソン・マウント以外にもこの日、10点満点中8点以上の活躍をした選手が沢山いた。

彼はハットトリック、マッチボール、マン・オブ・ザ・マッチを獲得し、さらにはPKの取り直しが彼に有利に働くという幸運にも恵まれた。彼のクオリティとプレーの姿勢は最初から最後まで完璧に近かったし、そのような助けも彼自身が引き寄せたと言えるだろう。

ほんの数週間前、3-5-2でプレーしていたときには、「チェルシーのスタメンにメイソンの名はないのではないか?」と信じられないような声もあった。チェルシーには多くのスペシャリストがいるため、ウイングバックという選択肢はなく、中央の3人は、エンゴロ・カンテ、マテオ・コヴァチッチ、ジョルジーニョの3人がおり、残るは2トップだけとなった。好調のロメル・ルカクがレギュラーとして入るとなると、もう1つのポジションをティモ・ヴェルナー、カイ・ハフェルツ、カラム・ハドソン=オドイ、クリスチャン・プリシッチ、ハキム・ツィエク、メイソン・マウントが争うことになる。6人が1つのポジションを狙うのはあまりいいことではないが、幸いなことにサッカーは科学でも数学でもないのだ。

チャンスがあれば、それをものにしなければならない。メイソンとカラムは、まるで自分の人生がかかっているかのようにチャンスをつかんだ。難しいと感じることもあるかもしれないが、サッカーは実力があればいつかはチャンスを与えてくれるものだ。最近、私はプレミアリーグのスター選手たちが、出場できずにベンチでふてくされる態度を見てきた。

ある選手は、試合に出てくると、たとえ味方が有利な位置にいたとしても、自分が得点することに集中して味方にパスを出さなかった。それは、たとえ自分が優位に立っていても許されない行動だ。現在のチェルシーの選手で、このような態度をとる選手がいるとは想像できない。第一に、彼らがそのようなタイプの人間でないことを願うが、第二に、彼らは万が一そのような行動をとれば、監督がそれに気づき、次の数試合で先発するチャンスが大きく制限されることを十分承知しているだろう。

トーマス・トゥヘルには、選手に対して個人的な恨みがあるわけではない。彼は、普段の姿勢や仕事ぶりに関して自分が望むものを期待しているだけであり、もしそうでなければ、同じように才能のある他の選手がそれを与えてくれるだろうと考えているだけだ。とても簡単なことのように聞こえるが、もしそうであれば、すべてのクラブのすべての選手がすべての試合で正しい道を歩むことになるだろう。セント・メリーズでベンチとピッチラインを繰り返し行き来したカラムがその好例だろう。トーマスは彼に対して怒っていたわけではなく、ただチームにとって正しいことをしなければならないと感じ、それが何であるかをすべての選手に正確に伝えようとしていたのだ。カラムは、公の場で追い出されたり、「呼びだされたり」はしなかった。なぜなら、彼が再び出場する準備ができたと考えられたとき、監督は彼の復帰を喜んだからだ。

長年にわたり、多くの監督が必要な時だけ選手を利用し、うまくいかない場合は彼らを放出してきた。

トゥヘルがチーム全体から尊敬されているのは、公正さと誠実さが感じ取れるからだろう。彼は、世界最高峰の選手を何人かベンチに置いておくことができるが、彼らは正しい姿勢であれば、それぞれ素晴らしい能力を持っており、勝負を決めることができるのだ。これこそが、スポーツやビジネスにしろ、クオリティマネジメントと呼ばれるものだ。

カラム、メイソン、トレヴォ・チャロバー、リース・ジェイムズ、ルベン・ロフタス=チークなどのアカデミー生がゴールやアシストを量産し、輝かしいパフォーマンスを披露して、試合に大きな影響を与えているのを見て、とても嬉しく思う。重要なのは、彼らがそれを継続することであり、今夜はそれらのパフォーマンスをさらに高める絶好の機会となるでしょう(カラバオカップ対サウサンプトン戦:結果はチェルシーがPK戦の末勝利)。私は、できるだけ多くの選手が自分のクオリティを示す機会を得て、少しでも多くの試合に出られることを願っている。

どんな選手でも毎週良いプレーを披露するのは難しいことだが、チームの中で安心感を得られるだけの出場時間があれば、きっと助けになるだろう。今夜の試合は、サウサンプトン相手に苦戦するかもしれない。これは彼らにとって今季最後のタイトル獲得のチャンスだろうし、数週間前にブリッジで10人になってしまう前までは、チェルシーを苦しめていたのも事実だ。

しかし、彼らはチェルシーの最初の得点者に注意しなければならない。過去12試合のうち、チェルシーの10選手が先制点を決めている。監督はどこからでも得点できるチームに満足しているだろうが、ブックメーカーはもっと喜んでいるに違いない。