チェルシーのレジェンド、パット・ネヴィンは、日曜日のルカクのプレーに最大限の賛辞を贈るが、一方でエミレーツで脚光を浴びることがなかったもう一人のキープレーヤーを挙げている。

2018年のロシアワールドカップで現地で何度かベルギーの試合を見たことを覚えている。エデン・アザールやケヴィン・デ・ブラウネなど質の高い選手が揃っていて、相手国を応援していなければ見ていて楽しいものだった。しかし、グループステージのチュニジア戦とパナマ戦では、ロメル・ルカクを表す言葉は「アンプレーアブル(勝負にならない)」しかなかった。準々決勝のブラジル戦では、ミランダ、チアゴ・シウバとロメル・ルカクの対決は、興味をそそるものだった。

ワールドクラスの選手たちによるバトルロワイヤルだったのだ。私の目に飛び込んできたのは、ロメルが見せた熱意であり、またしても「アンプレーアブル」という言葉が誰もが口にしていた。少し気になったのは、簡単に言えば彼のことが心配だったということだ。毎試合、ディフェンダーから削られ、負傷し、前線であれだけの激しいプレーをするために必要なエネルギーを考えると、あのレベルを維持することは不可能であると誰もが思っていた。

当然のことながら、彼は時々、エネルギーを節約する必要があったが、問題は、ワールドカップという短い期間に多くの試合を行う大会において、息をつくことが許されないということだった。クラブレベルでも、同じようなことが起こっていたようだ。彼のように身長が高く、あの体格では、消耗も激しいだろう。私たち小柄な人間は、25%も軽い体重であちこちを飛び回れるのだから、当然のことながらずっと楽なはずだ。

ロメルは、イタリアでプレーする中で、毎週コンディションを調整する方法を見つけたようだ。食生活の変化や成熟度などの話もあるが、ファンにとってはそれほど重要なことではない。私たちにとって重要なのは、ロメルがアーセナル戦で到達したレベルを維持することなのだ。彼が毎週のようにその水準でプレーすることができれば、シーズン終了時にタイトル争いに加わる可能性は十分にあるだろう。エミレーツでのロメルは、「アンプレーアブル」という言葉にふさわしいプレーを見せてくれた。これは、ストライカーだけでなく、ピッチ上にいるあらゆる選手に与えられる最高の褒め言葉なのである。

アーセナル戦での彼のくさびとしての質の高さに気づけなかった人は、おそらくこれまでの人生でサッカーの試合を見たことがないのではないだろうか。前半のパブロ・マリは、古い小屋の壁にタックルしているかのようだった。先制ゴールに至るまでの流れはその典型だった。もちろん、最終的には簡単なタップインで決めたのだが、くさび、パスの繋ぎ方、ディフェンダーを蹴散らすパワー、そして最後にはタップインに適した位置に行くためのスピードが合わさって、あのような見事なゴールになったのだ。

2点目にしても、ルカクが1分前から中心となって動いていた。マリはストライカーを "消し去る "チャンスを得て、イエローカードを受けた。それは必死の行動だったが、大きな意味があったとは言い難い。その数秒後、彼は見事なおとりとなり、別のディフェンダーの動きを止めた。ロメルを警戒したフルバックのティアニーが中に入ったことで、フリーになったリース・ジェイムズが右サイドからシュートを決めて2点をリードして、前半戦、そして試合を終えることができたのだ。ルカクの影響力がなければ、あのゴールは生まれなかっただろう。

大男がその迫力を持ってディフェンスを引きつけていることが、チームメイトに大きなプラスの影響を与えているのは明らかだ。彼が選手を引き寄せることで、後ろの2人の攻撃的ミッドフィルダーに自然とスペースができるのだ。カイ・ハフェルツ、ティモ・ヴェルナー、ハキム・ツィエク、メイソン・マウント、クリスチャン・プリシッチ、カラム・ハドソン=オドイにとって、ルカクの後ろでプレーすることは夢のようなシナリオだ。

ここ数週間で、ほとんどのチームがロメルをマンマークして、彼の供給ラインを遮断するようになると思うが、中盤からのパスの質を考えると、それは簡単にはいかないだろう。仮にゴールに背を向けているロメルの足元への供給を断ったとしても、相手はそこに1人余分に投入しなければならず、他の場所にスペースができるはずだ。週末にジェイムズがフリーで1点目をアシストし、2点目を決めたのを見れば、それは明らかだ。

リース・ジェイムスについて言っておきたいことがある。他の試合であれば、彼の今季初スタメンでのパフォーマンスを絶賛する人もいるだろうし、実際にそうだった人もいるだろうが、新加入のストライカーの方が注目を集めるのは当然のことだろう。ブルーズのファンは彼の貢献をすぐに察知したが、チーム全体もそれを感じただろう。

では、ロメルと彼のチームにおける地位に不安はないのだろうか?このまま好調を維持するのか、今年はトロフィーを獲れるかどうかではなく、いくつ獲れるかを考える時期なのか。そう簡単に答えは見つからないだろう。今週末のリヴァプール戦を皮切りに、本当の意味での大きな試練が目の前に迫っている。

そのうち、ロメルがどれだけ調子がよく、そしてどんなにハードなトレーニングをこなせるにしても、休ませなければならなくなるだろう。今シーズンは長い休暇がなかったし、今後も国内、欧州、代表試合が数日おきに行われるため、彼にはちょっとした休息が必要になるだろう。過去のチームでは、彼の得点記録や重要な役割を理由に彼を起用しすぎたことが問題だったのかもしれない。主力のストライカーを休ませたり、交替したりするのは大変なことだが、幸いにもチェルシーには多くの選択肢があるから大丈夫だろう。

過去に強力なストライカーを擁する他のチームでは、そればかりを頼ることがあった。チェルシーではそうならないことを願っているし、そう信じている。ブルーズには多くの優秀な選手がいて、選択肢も多すぎるほどにあり、さらに危険を察知できる知的な監督がいる。

一点張りにならないだろうもう一つの理由は、誰もが毎週のスタメンを推測することさえできないからだ。この試合が始まる前、トレヴォ・チャロバー、カラム・ハドソン=オドイ、ティモ・ヴェルナー、チアゴ・シウバ、ハキム・ツィエク、ベン・チルウェルの全員が先発していても、誰も気にしなかっただろう。

このようなチーム選択は、トーマス・トゥヘルが抱える最大の問題であり、今後もそうであり続けるだろう。しかし、抱える問題は相手の方が大きいと考えれば、安心できるだろう。スタメンの半分が誰になるかわからない状態で、猛威を振るうチェルシーに対して事前に対策を講じることは生易しいものではないのだ。