スタンフォードブリッジのリーグ初戦はいきなり昨季の王者とのビッグゲームとなる。クラブの歴史に精通するリック・グランヴィルとデータ収集家ポール・ダットンがスーパーサンデーとなるリヴァプールとの試合を前に主なポイントを紹介する。

非常事態が続く中、スタンフォードブリッジでのシーズン初戦はある意味親しみやすいものである。ホームアンドアウェー、チェルシー対リヴァプールは21世紀イングランドで最も多く行われた試合だ。2000年から数えて全大会で64試合目となる。

リヴァプールはこの30年で初めて王者としてブリッジを訪れる。ユルゲン・クロップは「チェルシーには警戒する必要がある」と語った。

リヴァプールが王者としてブリッジを訪れた1990/91シーズンは守備が大きく乱れ、チェルシーに4-2で大敗している。

フランク・ランパードはブライトン戦のパフォーマンスが良くなかったことを認めるが、アウェーでの開幕戦で3ゴールを奪って勝利したことは比較されるべきトピックだろう。そして過去、月曜に勝利した2014年と2016年は、その後リーグで優勝している。チェルシーは過去18年間ホームでのディフェンディングチャンピオンとの試合を落としていない。

チェルシーのニュース

フランク・ランパードはブライトン戦を4-2-3-1で臨み、ルベン・ロフタス=チークをティモ・ヴェルナーの後ろに置いた。カイ・ハフェルツは大活躍とはいかなかったが、右サイドでまずまずのプレーを見せ、ディフェンスでも試合終盤に長距離を走りタックルをするなど、味方チームの信頼を得た。

既に親善試合で好印象を与えたヴェルナーは、ブライトンのような高身長DF陣を初めて経験したことを明かした。

ルイス・ダンクとアダム・ウェブスターは両方とも190cmを越え、ベン・ホワイトは185cmだ。198cmのダン・バーンは幸い出場しなかった。しかし重要なのは、ブライトンはヴェルナーのスピードに対応できず、PKを献上したということだ。興味深いことに、リヴァプールはこのようなスピードのある選手に弱いところを見せている。

ブライトンの同点弾に落胆したファンは多かっただろうが、19のパスから生まれた100秒後のリース・ジェイムズの豪快なロングシュートは、沈んでいた気分を高揚させる素晴らしいものだった。リースのゴールをもう一度紹介しておこう。

20歳のジェイムズは試合終盤にMFにコンバートしただけでなく、コーナーキックからクル・ズマの3点目をアシストした。

これは2020/21シーズンの良い兆しといえるだろう。昨季コーナーから得点したのは、リール戦でエメルソンからボールを受けたセサル・アスピリクエタとレスター戦メイソン・マウントのコーナーキックからゴールを決めたトニ・リュディガーだけだった。

ヴェルナーはPKとなったプレーで膝を怪我しアイスパックを巻いていたが、リヴァプール戦にも出場できる見通しだ。

ブライトン戦では主力が数人欠場した。ベン・チルウェルと水曜日にチームに参加したばかりのチアゴ・シウバ、そしてハキム・ツィエクのデビューはまだ先になりそうだが、マテオ・コヴァチッチは出場停止処分が解け戻ってくる。7月にリヴァプールのDF陣を切り裂いたクリスチャン・プリシッチも欠場する可能性が高い。

連続優勝という難しい記録

プレミアリーグを制するのは簡単ではないが、それを守ることは更に難しい。今世紀に入って連続優勝したのはチェルシー(2004-06)、マンC(2017-19)とマンU(3度)だけである。

全チームが王者を倒すためにプランを立て、相手の弱点を突こうと努力するのは当然の話だ。レッズがそのことに気づいたのは、リーズ相手にアンフィールドで3失点する前のことである。

これにより、クロップのチームはリーグ戦過去9試合中6試合で失点したことになる。この中には7月5-3に終わったブルーズとの試合も含まれる。あの夜、リヴァプールはシュートの7割、ブルーズは6割がゴールとなった。6-6で終わってもおかしくはなかっただろう。リヴァプールがアンフィールドで3失点を喫したのは2019年1月のパレス戦だった。

これがシーズン初のアウェーゲームとなり、3月のFAカップでのブルーズの勝利は、直近アウェーでの8試合のうちの5敗に含まれる。

ホームで昇格したばかりのリーズに僅差で勝利した開幕戦が示す通り、攻撃では依然としてショートコーナーやワンツーなどロックダウン以前の破壊力を維持している。ジョーダン・ヘンダーソンは中盤の中央に戻ったが、サディオ・マネにボールを預けることが多かった。チアゴ・アルカンタラの加入により、創造性の足りないこのポジションも強化されるだろう。

モモ・サラーのリーズ戦でのパフォーマンスを見ると、去年の一時期に比べてよりダイナミックなプレーをできる状態にあるようだ。ハットトリックのうち2ゴールはPKからだが、常に相手にとって脅威となった。

プレス合戦、そしてカウンターとプレスの応酬に4-3で競り勝ったレッズだが、ディフェンスが脆さを見せたこと、そして高いディフェンスラインがチェルシーの攻撃陣にとってチャンスになることは明らかだ。

リーズの攻撃陣の動きは非常にスマートで、オフサイドトラップをくぐり、フィルジル・ファン・ダイクの相方のCBのポジショニングを狂わせた。チェルシーはGKアリソンにプレッシャーをかける、もしくはCBの裏をつく動きをするべきだろう。

アメックスでの記録

ブライトン戦で勝利したことで、チェルシーのプレミアリーグ通算勝ち点が2000に到達した。これはリーグで3番目の偉業である。さらに、ロマン・アブラモヴィッチがチェルシーのオーナーになってから600試合目で400勝目という記録づくしの試合となった。

2019/20シーズンのアウェーでのブライトン戦は引き分けに終わっている。リヴァプールに勝てば、勝ち点の昨年比は+5となる。

PK

ジョルジーニョにとってプレミアリーグ5回目、チェルシーにとって過去20年間の開幕戦で6回目のPKとなった。

過去に開幕戦でPKを決めたのは、ジミー・フロイド・ハッセルバインク(2000/01ホーム・ウェストハム戦)、フランク・ランパード(2008/09ホーム・ポーツマス)、ランパード(2012/13アウェー・ウィガン)、エデン・アザール(2016/17ホーム・ウェストハム)、そしてジョルジーニョ(2018/19アウェー・ハダースフィールド)である。

ジョルジーニョのゴールにより、チェルシーはリーグ戦16回連続でPK成功となった。最後に失敗したのはアザールで、2017年4月5日2-1で勝利したマンC戦でのPKだった。このPKを止めたのが他でもないウィリー・カバジェロだった。

しかしこの時も、タイトルを獲得した2シーズン前のクリスタルパレス戦のように、アザールはリバウンドからゴールを決めている。つまり、本当にゴールを奪えなかったのは、同年1月31日1-1に終わったリヴァプール戦、ジエゴ・コスタのPKに遡るということだ。

審判

ポール・ティアニーが今シーズン初めて主審を務める。ブリッジでは4試合目となる。過去3試合、すべてチェルシーは勝利した(ハダースフィールド5-0、ワトフォード3-0、アストンヴィラ2-1)。

フランク・ランパードの会見

会見は金曜日に行われた。この模様は5th Standまたは公式サイトから試聴できる。

今シーズンのTV放送

ブルーズの開幕から3試合はTV放送されることが決まっていたが、プレミアリーグのクラブは9月28日の全試合を生放送すると採決した。これにより11試合が追加され、そのうち6試合がSky Sports、3試合がBT Sport、そしてBBCとAmazon Primeが1試合ずつ放送することになった。

ブルーズの試合の放送スケジュールはプレミアリーグのTVガイドに掲載されている。

チェルシーTVの試合当日の番組は5th Standアプリ、Facebook Live、そして公式YouTubeチャンネルから視聴できる。日曜は15時15分(日本時間23時15分)からジョルジーニョ特集をお届けする。

女子FAカップの日程が発表

圧勝に終わった日曜のブリストルシティ戦のハーフタイムに、元ブルーズのクレア・ラファーティが2019/20FAカップ残りの試合の抽選を行った。チェルシーは9月27日(日)の準々決勝でエヴァートンに勝利すると、その4日後準決勝でブライトンまたはバーミンガムと対戦する。決勝は11月1日ウェンブリーで無観客試合として行われる。

驚くことに、対ブリストルでの9得点は全て異なる選手によるものとなった。フラン・カービーが2019年5月以来のWSLでのゴールを決め、今季加入したペルニル・ハルダーは途中出場し、5分間で1ゴール1アシストを記録した。

枠内へのシュートも2017年のヨーヴィルとの試合(22)に次ぐ21となっている。

ビリーのユニフォーム

チェルシーがマンC破りリヴァプールの優勝が決まる直前、左SBのアンディー・ロバートソンがロイヤルブルーを着たセルフィーをチームのSNSチャットに投稿した。「その日、その夜限りの出来事」と自叙伝で振り返り、「リヴァプールの全員がチェルシーを応援していた」と語っている。

このユニフォームは、3月にFAカップでチェルシーと対戦(2-0でブルーズが勝利)した時、試合後にビリー・ギルモアと交換したものだった。

バーンズリーがラウンド3へ

ブルーズはカラバオカップ・ラウンド3でバーンズリーをホームに迎える。この試合は水曜日19時45分から行われる。バーンズリーは火曜日にアウェーでミドルスブラに勝ってラウンド3に進出した。

オーストリア人のゲルハルト・ストゥルーバー監督率いるバーンズリーは、土曜日のチャンピオンシップで2位のレディングとアウェーで対戦する。バーンズリーは2007/08FAカップでブルーズを1-0で破っている。

木曜の抽選の結果、この試合の勝者はラウンド4でレートン・オリエントとトッテナムの勝者とアウェーで対戦することが決まった。

マッチデー・プログラム

スタジアムで試合を観戦することはできないが、 公式マッチデー・プログラムは現在好評発売中で、ブライトン戦でデビューを飾ったティモ・ヴェルナーの独占インタビューが掲載されている。

シーズン購読も可能で、イギリス国内の場合送料無料で80ポンド(日本へは送料60ポンド) (including P&P for UK customers)となる。この購読には、2020/21シーズンの男子チームの全大会のホームゲームで発行されるマッチデー・プログラムが含まれる。

115年の歴史

115年前の今月、スタンフォードブリッジでの初めての親善試合の相手はリヴァプールだった。1905年9月4日(月)17時15分にキックオフとなったその試合は、数か月で建設された新しい巨大スタジアムのトライアルとして行われた。

そこでは新しいタイプのマッチデー・プログラムが発行され、ボールボーイが世界初めて登場、5000人から1万人の観客が入ったとされ、ジャッキー・ロバートソン監督の即席チームの4ゴールやウィリー・フォークのセーブに大きな歓声が贈られた。

驚くべきことに、3シーズン目にはブリッジは英国(世界?)最多収容人数を誇るスタジアムとなり、ウェンブリーに移るまでFAカップ決勝の開催地となった。

観戦できないサポーターへ

残念ながら地元のパブで試合を観戦することはできない。フラムロードも人通りはない。改札口で「ハッピー・ニューシーズン!」と言われることもなければ、新規加入選手へのチャントや伝統的なソングブックを歌うこともない。試合の流れを、固唾を飲んで見守ることもない。その代わり、自宅やバー、移動中に画面にくぎ付けになり、イヤフォンで実況やスタジアムの音を聞く。そこにはいないが、いつもいる。クラブ、チーム、そしてみんなのために。何があってもこのチームを応援し続けよう。

チェルシーvsリヴァプールキックオフ:日曜4:30(日本時間月曜0:30)主審:ポール・ティアニーVAR:マイケル・オリヴァーVAR:マイケル・オリヴァー

プレミアリーグ第2節

土曜エヴァートンvsウェストブロム 12時30分(BT Sport)リーズvsフラム 15時 (BT Sport)マンUvsクリスタルパレス 17時30分(Sky Sports)アーセナルvsウェストハム 20時(Sky Sports)

日曜サウサンプトンvsトッテナム 12時(BT Sport)ニューカッスルvsブライトン 14時(Sky Sports)チェルシーvsリヴァプール 16時30分(Sky Sports、日本時間月曜0時30分)レスターvsバーンリー 19時(BBC One)

月曜アストンヴィラvsシェフィールド・U 18時(Sky Sports)ウルブズvsマンC  20時 (Sky Sports)

試合前のスタッツはこちら