今夜世界王者の座がかかるビッグマッチに臨むブルーズ。中東の地で行われるクラブワールドカップ決勝戦を前に、チェルシーのクラブ史に精通するリック・グランヴィルとデータ収集家ポール・ダットンが主なポイントを紹介する。

クラブワールドカップは、土曜日にアブダビのムハンマド・ビン・ザイード・スタジアムでクライマックスを迎え、チェルシーかパルメイラスのどちらかが初めて世界一の称号を手にすることになる。この名誉ある決勝戦は、多くの選手の経歴には残らない。なぜなら、すでに大陸の王座を獲得しているクラブにしか参加資格が与えられないからだ。

欧州王者であるチェルシーは、2012年12月にコリンチャンスに破れ悔しい思いをした1回目の挑戦から10年、2回目の出場となる。現監督のトーマス・トゥヘルはFAカップ、チャンピオンズリーグ、UEFAスーパーカップ、カラバオカップ、そしてこの大陸の祭典でブルーズを決勝まで導いている。

相手は11月の決勝でフラメンゴを破り、コパ・リベルタドーレスの連覇を達成したパルメイラスだ。「ヤシの木」を意味する名前だが、同胞のコリンチャンス、インテルナシオナル、サンパウロとは異なり、リバウド、セザール・サンパイオ、ロベルト・カルロスが所属したこのクラブには、これまで世界一の座は巡ってこなかった。

クラブワールドカップの決勝でイングランドとブラジルのクラブがぶつかるのは4度目となる。ブルーズが勝利すれば、2003年7月にロマン・アブラモヴィッチがクラブを買収して以来、獲得可能なトロフィーすべてを手に入れることになる。

チェルシーのニュース

チェルシーはパルメイラスより休息日が1日少ないが、元々の層の厚さと5人の交代要員のおかげで、十分にリフレッシュした状態で決勝に臨めるだろう。

アブダビで選手たちと合流したトゥヘルは、ドイツ人監督として3人目となるクラブW杯制覇を狙う。

水曜日の準決勝、アジア代表のアル・ヒラルとの対戦では、チャンピオンズリーグ優勝チームが序盤から優勢に試合を進めた。しかし、サウジアラビアのクラブは終盤反撃を見せ、チェルシーはケパ・アリサバラガの好セーブに助けられ、1点差をキープした。ブルーズは決勝のために何かを温存していたのかもしれないが、最近は後半に勢いを失うことがあるのが懸念材料だ。トゥヘルのアシスタント、ジョルト・ルーヴは「決勝ではもう少し自由に、良いリズムでプレーしてほしい」と語っている。

マテオ・コヴァチッチ(2016年にレアル・マドリードでクラブワールドカップ優勝)が中盤を支配し、ハキム・ツィエクのプレーには威勢が戻り、カイ・ハフェルツは最高の襲撃に近づき、ロメル・ルカクは決定的な一撃で復活した。このベルギー人選手は現在、ジョルジーニョ選手と並んで、リーグ・カップ戦合わせて合計9得点とチーム得点王になっている。

この試合の後、ロンドン勢はクリスタルパレスへの遠征前に回復のための自由な1週間を過ごす。トゥヘル監督はほぼ同じメンバー、フォーメーションにこだわるかもしれないが、カウンターが脅威となるパルメイラスに対しては、ポゼッションでのミスを減らすことが不可欠になる。

アフリカネイションズカップで見事セネガル代表として優勝したエドゥ・メンディは、ここ数日間トレーニングを積んでいるが、ケパにはPK戦での強さがあるため、どちらがスタメン入りするかまだわからない。

チェルシーは、2チームの平均身長の差を利用することを狙うだろう。週半ばの準決勝に臨んだメンバーを見ると、フルバック、中盤、4人のフォワードの身長が170センチほどで、パルメイラスの方がブルーズより平均で5センチほど低い。

より戦術的なチームとなったパルメイラス

パルメイラスのアベル・フェレイラ監督は、必要なときに得点するコツをつかんだ、統制のとれたチームを作り上げている。このポルトガル人監督は、相手の戦術的弱点を暴くことで有名で、彼のチームはリーグ・カップ戦合わせて現在10試合無敗である。

パルメイラスは立ち上がりが早く、リードを奪ってから相手が疲弊し、チャンスが訪れるまでプレッシャーをかけ続けることを狙っている。ボールを持たずにリラックスしてプレーした彼らは、シュート数で6本対3本と、試合時間残り10分を10人でプレーしたにもかかわらず3分の2のポゼッションを記録したアル・アハリを上回った。

ブラジルの控えキーパー、ウェヴェルトンはオフサイドの旗に救われたが危ないプレーを見せていた。ブルーズの攻撃陣はその弱点を見逃さないだろう。

にもかかわらず、パルメイラスは2-0で準決勝を突破した。4-2-3-1の前線は、左のアシスト役グスタボ・スカルパから得点源のロニー(センターフォワード)、背番号10のハファエウ・ヴェイガまで、脅威にあふれているのだ。

ヴェイガはアル・アハリ戦で、マン・オブ・ザ・マッチのドゥドゥのセットプレーを見事にゴールに結びつけ、2点目もお膳立てした。コパ・リベルタドーレス決勝でゴールを決めたデイヴェルソンは、選手たちの中では数少ない長身選手で、どちらかというとターゲットマン的な存在だ。

フェレイラ監督は、チームは1年前のこの大会での失敗で「傷を負った」と語り、「パルメイラスにはワールドカップがない」と言われるのがファンにとっては最も辛いそうだ。

クラブワールドカップの規定

メンバー登録できる選手は最大23名。交代要員は12名のベンチから5名まで、さらに試合が延長戦に入った場合は追加で1名を選出することができる。

ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)、半自動オフサイド判定、ゴールラインアラートが大会を通じて使用される。水曜日には、チェルシーが、オフサイド判定を瞬時に確認することを目的とした新しいボディマッピング技術を欧州のクラブとして初めて体験している。

後半のロスタイム終了時に同点だった場合、延長戦が行われ、必要であればPK戦で勝敗が決まる。

決勝戦の審判

オーストラリア人のクリス・ビース主審はチェルシーの試合を初めて担当するが、VAR担当のマッシミリアーノ・イラーティは、ホームでのレアル・マドリード戦の2-0の勝利を含め、昨シーズンのチャンピオンズリーグでのブルーズの3試合でスクリーンを見ていた。