今月初めてロンドンを離れ、イースト・ミッドランズでのリーグ戦に臨むブルーズ。フォックスとの試合を前にチェルシーのクラブ史に精通するリック・グランヴィルとデータ収集家ポール・ダットンが主なポイントを紹介する。
プレミアリーグの前半戦が終わり、アウェーでの成績がリーグ12位のチェルシーはホーム15位のレスターと対戦する。ブルーズはフラム戦が金曜から土曜に変更されたため準備期間が少なくなったが、レスターも同日に試合を行っているためどちらかが不利になるということはないだろう。
両者とも今週末クリーンシートで勝利をおさめ、欧州大会出場権獲得圏内につけている。強敵との対戦となるこの試合、フランク・ランパードは試合開始からのハイペースと攻撃陣の決定力を求めている。
フォックスは今季キング・パワーで既に4敗しており、35ポイント中13ポイントしか取れていない。ブルーズはこの地で2015年以来4試合連続負けなしだが、ここ7試合で土曜日のフラム戦での3ポイントを含む勝ち点7しか取れていない。
ブルーズは週末のFAカップ戦を前に、この試合に勝利すると6位に浮上し、レスターまで3ポイントとなる。
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フラム戦での勝利は4試合ぶりで、ブルーズは3-0で勝利したウェストハム戦以来最多となる6本のシュートを枠内に放った。
ここ数週間の不振におけるランパードの悩みの種は、攻撃陣の決定力のなさだったが、一方でゴールポスト・バーにはね返されたシュートも多かった。
メイソン・マウント(バー)とハキム・ツィエク(GKのセーブからポスト)のシュートを合わせると、ゴールの枠に阻まれたのは11回となり、ウェストハムと並び現在トップで、一方のレスターは7回となっている。
フラム戦でGKと一対一になったがチャンスを逃したティモ・ヴェルナーはここのところ調子を落としているが、ホームにおけるゴール・アシストに関しては3ゴール3アシストで、高評価を得ているジェイミー・ヴァーディ(2ゴール3アシスト)よりも優れていることに言及しておく必要があるだろう。
ありがたいことに、ランパードを彷彿させるマウントの活躍によってフラム戦では勝利を収めたブルーズ。マウントは2シーズンで6回目の先制点を決め、総得点の11ゴール中3点のみが追加点だった。残りのゴールは先制点もしくは同点弾、逆転弾で、フラム戦では7回決定機をつくり、ブルーズの選手としてこのアウェーでの記録は5年ぶりとなった(彼は同じことをリーズ戦でも達成している)。
フラムがリヴァプール、そしてトッテナム戦を含め6試合無敗で、11月にレスターを破っていたことを考慮すると、先週のクレイヴン・コテージでの勝利は貴重なものだったと言えるだろう。
スタッフ陣はその試合でも今日のレスター戦のことを頭の隅で考えていたかもしれない。リース・ジェイムズとクル・ズマはレギュラー復帰の可能性が高く、フラム戦で好プレーを見せたカラム・ハドソン=オドイは現在チームで最も調子のいい選手であることを証明した。
ハムストリングの負傷によりフラム戦で出場停止だったエンゴロ・カンテが古巣相手に欠場する。3日前の試合ではジョルジーニョとマテオ・コヴァチッチが出場したが、10代のビリー・ギルモアにもチャンスがある。
土曜日の勝利はエドゥアール・メンディにとってリーグ・カップ戦合わせて20試合中11回目、リーグ戦では7回目のクリーンシートとなり、その割合は55%となった。レスターのGKカスパー・シュマイケルは出場した試合の3分の1である6試合でクリーンシートを記録している。
台頭著しいロジャーズ
レスターは現在絶好調で、激しくアグレッシブでよくまとまったプレーをピッチ全体で見せている。今季ホームでのパフォーマンスはあまり芳しくないが、1984年以来となる新年2連勝中だ。
元チェルシーアカデミー監督のブレンダン・ロジャーズはチェルシーを除いてプレミアの33チームすべてに勝利している。
北アイルランド出身のロジャーズは守備を固めることによりラインを下げ、低い位置で辛抱強くボールを回すことで相手をおびき出し、その裏を狙う戦術をとっている。
ブルーズはレスターのプレスをかいくぐり、中盤はブロックされるだろうが、サイドから攻撃を仕掛けるべきだろう。ポゼッションで優位に立ち、素早いカウンターでウィンガーやフルバックを走らせることが勝機に繋がると考えられる。
ジェイミー・ヴァーディはもちろんレスターで最も警戒すべき選手だが、キング・パワーよりもアウェーでの活躍が著しい。ファイナルサードで最も驚異となるのはジェイムズ・マディソンで、左サイドから切り込むハーヴィー・バーンズにも注意が必要だ。
ウェズリー・フォファナとジョニー・エヴァンスは高い位置で守るため、裏をつかれると守備は脆くなりがちだ。守備的MFウィルフレッド・エンディディの動きを制限することにより、フォックスのディフェンダーに対してよりプレスをかけやすくなるだろう。
もう一人のMFパピー・メンディは首の負傷により欠場する可能性がある。彼を欠いた週末の試合でユーリ・ティーレマンスはより深い位置でプレーし、今季初となる2アシストを決めた。
興味深いことに、フォックスの総得点の4分の1(33ゴール中8ゴール)はPKから決めたもので、更に2回の失敗もある。PK10回はリーグ断トツの1位で、チェルシーの5回の2倍となっている。