今季スペインで多くの試合に臨んでいるチェルシーだが、チャンピオンズリーグ準決勝は2014ぶりとなる。この試合を前にチェルシーのクラブ史に精通するリック・グランヴィルとデータ収集家ポール・ダットンが主なポイントを紹介する。

今夜のビッグマッチ、レアル・マドリード対チェルシーはチャンピオンズリーグ初顔合わせとなり、サンティアゴ・ベルナベウではなく、エスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノで行われる。ベルナベウは現在改装中のため、無観客の練習用グラウンドでの試合となる。

土曜日にレアル・べティスとの試合がスコアレスドローとなったことにより、リーグ・カップ戦合わせて5連勝の記録は止まったレアルだが、ここ4試合中3試合は無得点に終わっている。

決勝まであと2試合となるチェルシーは、ここまでアウェー7試合で1失点しかしていない。

チェルシーはCLでスペイン勢相手に3連勝中(グループステージのセビーリャ戦とラウンド16のアトレティコ・マドリード2試合)。

ブルーズにとってこれが8回目の準決勝となり、これはイングランド勢では最多となる。一方のレアルは14回目。レアルは欧州タイトルを19回獲得しており、5回のブルーズを大きく引き離している。

しかしブルーズはUEFAの主要大会すべてを制覇した5つのクラブのうちの1つで、レアルはカップ・ウィナーズ・カップで優勝したことがない。1971年にこの大会の決勝で対戦した両チームだったが、ブルーズがリプレーの末タイトルを獲得した。その後は1998年のスーパーカップで一度だけ対戦し、これもブルーズが勝利している。

チェルシーのニュース

チェルシーもトーマス・トゥヘルもレアルに負けたことがなく、週末にリーグ戦で良い結果が出たブルーズはこの試合に向けて非常に良い状態で臨むことができる。

トゥヘルは土曜日のウェストハム戦での勝利を来季CL出場権争いにおいて非常に価値のあるものと評価している。これにより土曜日に行われるもう一つのロンドンダービー、対フラム戦に向けて余裕を持つことができ、ティモ・ヴェルナーも待望のゴールを決めている。

ヴェルナーはハマーズのCBアンジェロ・オグボンナを下げさせるために深い位置で構え、そこから相手のマークを振りほどきチルウェルのクロスに合わせて決勝点を決めた。

一方で今夜の試合に向けてカイ・ハフェルツとリース・ジェイムズを温存することができ、さらに怪我人が出なかったことも朗報だろう。今日の試合で欠場が決まっているのはマテオ・コヴァチッチのみとなる。

これまでのところCLでブルーズはレアルよりも得点は1つ多く、失点は8少なく、クリーンシート数も3つ上回っている。アウェーでは、過去5試合で1失点だけで、13ゴールを挙げている。

しかし、レアルは準々決勝でイングランドの相手を簡単に退けている。守備が乱れてマドリードでの第1戦で敗れたことにより、リヴァプールの敗退は事実上決まっていた。

チェルシーはエドゥ・メンディがCLで10試合中2失点という記録(レアル時代にケイラー・ナバスが達成)に並ぶためには、リヴァプールのように集中力を欠いてはならないだろう。

中盤でのかけ引きも重要になるだろう。今夜、チェルシーで100試合目となるメイソン・マウントは、レアルの創造力の高い中盤の3人に対して必要に応じて深い位置に下がり、エンゴロ・カンテとジョルジーニョをサポートすることが求められるかもしれない。また、レアルのプレスや、ボールを失ったときのリカバリーから逃れることができるかどうかも、この試合の勝敗を左右するだろう。

CBのヴァランとミリトンはポジションが安定していればブルーズのクロスを防げる自信があるだろうが、高いディフェンスラインの背後にあるスペースを突かれると守備が崩れる可能性がある。このような状況においてチェルシーは素早く正確にフィニッシュまでもっていくことが重要だろう。

1月のレバンテ以来、元チェルシーのGKティボー・クルトワは相手に1点以上与えたことはなく、この2試合とも一つ一つのチャンス貴重になる。ハキム・ツィエクは過去にレアル相手に2試合それぞれ得点しており、今夜は3点目を狙う。、

集中を高めるジダン

ジネディーヌ・ジダンはこの試合を「今シーズンで最も難しい試合」と断言したが、週末のリーグ戦で勝ち点を落としたことは、今夜の試合に向けたものだろう。

レアル・ベティスは2つの絶好のチャンスを逃したが、レアル・マドリードは4試合連続でクリーンシートを達成した(そのうち3試合はスコアレスドロー)。これらの結果は疲労からなのか、それとも選手が不足している中で現実的なものなのか?

右SBのレギュラーのダニ・カルバハルは6ヶ月ぶりに週末に復帰したが、CBでキャプテンのセルヒオ・ラモス、最も調子のいい左SBのフェルランド・メンディ、そして創造性の源であるフェデ・バルベルデはロンドンでの第2戦までは出場できないかもしれない。

エデン・ハザールは土曜日の後半に交代で出場し、疲弊した相手に対しドリブル突破を試みた。全体的にパスさばきとそのスピードに定評のあるMFトニ・クロースの欠場が響いたが、彼は日曜日にトレーニングを再開している。

35歳になったルカ・モドリッチはいまだに高い評価を得ているが、ジダンのシステムを機能させているのは守備に貢献し相手のチャンスを摘み取るカゼミーロだ。アンフィールドでリヴァプールのジェームス・ミルナーのラフプレーに反応したのも彼だった。

前線のカリム・ベンゼマは、今大会のチームのシュート数の4分の1、ゴール数の3分の1を占めている。

20歳のブラジル人、ヴィニシウス・ジュニオールは戦術眼に優れチャンスを量産し、リヴァプール戦では2ゴールを決めた。しかし、今夜はブルーズのウイングバックの攻撃にも目を配る必要がある。もしナチョが左SBとして起用された場合、マルセロが途中出場する可能性もあるだろう。

チェルシーのディフェンスは、レアルが国内で対戦したどのチームよりも優れている可能性があり、ジダンはピッチの隅々でフィジカルな相手と対峙することを警戒しているだろう。ジダンはビッグマッチでは4-3-3の布陣を採用する傾向にあるが、レアルはブルーズと同様の3-4-3にも慣れている。

いずれにしても、中盤に選手が密集することによりサイドが空き、前線の選手たちがそれを利用することになるだろう。