11月にワールドカップが開催となるため異例の早さで始まる今季のチャンピオンズリーグ。クラブの歴史に精通するリック・グランヴィルと統計学者ポール・ダットンがグループステージ初戦について詳細なマッチプレビューを用意してくれた。

グループEに入ったチェルシーの初戦は、アウェーでのディナモ・ザグレブとの試合となる。このチームはこれまで対戦した198番目のチームで、クロアチアのチームとしては初めてとなる。昨シーズン準々決勝に進出したブルーズだが、過去15回のチャンピオンズリーグでのアウェー戦では2敗しかしていない。

2度の優勝を誇るチェルシーは、クロアチアの首都で17時45分という早い時間にキックオフを迎え、チャンピオンズリーグの開幕を飾る。また、この試合では、昨シーズンのクラブワールドカップで優勝した際に試験的に導入された半自動オフサイド判定技術(SAOT)が初めて使用されることになる。このシステムは、身体29箇所のトラッキングとボールに埋め込まれたマイクロチップを組み合わせることで、判定の遅れや不一致を減らすことができる。

今月の代表選によるブレークはさておき、チェルシーは11月中旬まで、チャンピオンズリーグのミッドウィークとプレミアリーグのウィークエンドを交互に繰り返すことになる。前回のグループリーグが第1節から6節まで86日間だったのに対し、今年は冬のワールドカップの影響で58日間に短縮された(ただし、昨シーズンは3回の代表選によるブレークがあったが、今年は1回のみとなる)。

一方、ホストチームのディナモはすでに予選を6試合戦っているが、金曜日にホームでリエカを3-1で下し(10試合連続クリーンシート未達成)、1日余計に休息を取ることができた。チェルシーは、3日前のダービーでの勝利の興奮がまだ冷めやらぬようだ。


チェルシーのニュース

2009年1月(ストーク・シティ戦)以来初めて、チェルシーはホームで後半に先制点を許したものの、同じスコアラインで逆転勝利を収めた。土曜日のライバル、ウェストハム戦の勝利で得たエネルギーを、ザグレブへのスーツケースに詰め込んでくれることを期待しよう。ホームを得意とするディナモを相手に、同じ運動量と激しさが必要となるはずだ。今シーズンのプレミアリーグは、ヨーロッパの他のリーグと同様、5人の交代要員を認めているため、多くの大会に参加するブルーズには好条件となる。そして、ハマーズ戦で試合に大きな影響を与えたのは、ベンチからの交代要員だった。カイ・ハフェルツは、15試合で2つ目となるゴールを決めたが、これをアシストしたベン・チルウェルも、また魔法のようなプレーからゴールネットを揺らした。また、アルマンド・ブロヤもベンチから登場し、チルウェルに絶妙のパスを送り、勝利を呼び込んだ。

彼ら3人とも先発の可能性があるが、マスクをしたピエール=エメリク・オーバメヤンはデビューの準備が整っているかもしれない。このガボン人ストライカーは9番を背負っている。もう一人のデビュー候補、中盤のデニス・ザカリアは20番をつける予定だ。UEFAの大会でのデビューは、昨シーズンのスーパーカップに出場したトレヴォ・チャロバーが最後となった。チアゴ・シウバが休養しているため、今夜は彼が出場するかもしれない。エンゴロ・カンテはまだ出場できないが、マテオ・コヴァチッチがプロデビューしたクラブとの対戦で先発する可能性はある。

エドゥ・メンディは、取り消しとなったコルネの同点弾の前に怪我をしたが、この試合には間に合うはずだ。しかし、ブルーズはクロアチア戦で今季2度目のクリーンシートを目指しているため、ケパ・アリサバラガを先発起用する可能性がある。スペイン人キーパーの最後のチャンピオンズリーグ出場は、2021年12月にゼニトで行われた3-3の引き分けの試合だった。トーマス・トゥヘルは、セネガル人キーパーが最近のパフォーマンスで「少し不運だった」と感じており、すべての選手が自分たちのエリアをもっとしっかりと守るべきだと語っている。マイケル・アントニオのタップインは、今シーズンの9失点中、セットプレーからの4失点目となった。ブルーズが相手に与えるコーナーキックの数が昨シーズンよりも30%ほど多くなっているのもこの傾向を改善する助けにはならないだろう。ウェスレイ・フォファナは、3バックの右サイドで確実なプレーをしていたが、デビュー戦では賢明にも安全なプレーを心がけていた。ピッチの広さは、ディフェンダーのスピードとポジショニングによって決まる。スピードがあればあるほど、守備ラインは高くなるのだ。

この新しい33番のスピードとゲームを読む能力により、チェルシーは守備と中盤の間のギャップを減らすことができるはずである。この新加入選手によって、チェルシーはプレミアリーグで5番目に平均身長が高いチームとなった。昨シーズン、チェルシーはグループリーグ初戦でユヴェントスにアウェーで敗れたが、それまでの3試合は勝利していた。トゥヘル監督は、ハマーズ戦で望んだ「リスタート」を見た後、今晩は謙虚に、「戦いを受け入れる」必要があると語った。

UEFAチャンピオンズリーグ優勝回数

14 レアル・マドリード (直近2021/22)
7 ACミラン (2006/07)
6 リヴァプール (2018/19), バイエルン・ミュンヘン (2019/20)
5 バルセロナ (2014/15)
4 アヤックス (1994/95)
3 インテル (2009/10), マンU (2007/08)
2 チェルシー (2020/21), ポルト (2003/04), ユヴェントス (1995/96), ベンフィカ (1961/62), ノッティンガム・フォレスト (1979/80)

脅威のオルシッチ

アンテ・カチッチ率いるディナモは、ノルウェーのボド/グリムトを下してチャンピオンズリーグ予選6試合を勝ち抜き、リーグ戦ではタイトルの防衛に向け、2位に8ポイント差をつけている。元クロアチア代表監督にとっては、「モドリ(ブルーズ)」を率いての2度目の就任からまだ20試合目である。

ディナモは、土曜日のダービーで見られたような慌ただしい荒れ模様とは異なり、忍耐強く、技術的な方法で後方から組み立てていく。守備を固めつつも、どこからでもシュートを放つことができ、セットプレーや空中戦にも長けている。トーマス・トゥヘルのチームにとって、最近のチームの問題点である空中戦は気になるところだ。しかし、CKの守備には疑問符がつき、リエカのシンプルなゴールは、彼らの完璧な金曜日の夜を台無しにした。

長身のブルーノ・ペトコヴィッチを典型的な1トップに据え、ヨシップ・ミシッチが少し引き気味でプレー、そして評価の高いマルティン・バトゥリナのような機動力のある攻撃的MFを間に挟む。カチッチ監督は今夜も警戒すべき4-5-1の布陣で臨んでくるかもしれない。また、右利きのダリオ・スピキッチや得点王のミスラフ・オルシッチも危険な存在だ。

後者は2シーズン前、この地でトッテナムを3-0で破ったヨーロッパリーグで、ディナモのハットトリックのヒーローとなった選手である。昨シーズンの同大会では、クロアチアでウェストハムに2-0で敗れたが(ホーム11試合で唯一の敗戦)、ロンドンではオルシッチの活躍により1-0で勝利した。

しかし、チャンピオンズリーグでは、ザグレブで行われた過去8回のうち6試合で敗れ、すべての試合で最低1回は失点する癖がある。今夏に加入したボシュコ・シュタロも欠場しているが、カチッチは「夏の加入選手が落ち着く前に、早めにブルーズと対戦するのはいいことだ」と考えている。

ヨーロッパの血統

20年の間、チェルシーほど定期的にヨーロッパのエリート大会への出場権を獲得しているクラブはない。2007/08シーズン以降、チェルシーは3度の決勝トーナメントに進出し、2度トロフィーを手にしている。リヴァプール(14)だけが、チェルシーの9回を上回る数の欧州および国際的な主要大会での優勝を果たしている。

チャンピオンズリーグ出場回数 2002/03~2022/23

18 チェルシー
17 マンU
15 アーセナル
14 リヴァプール
12 マンC
6 トッテナム
2 ニューカッスル
1 エヴァートン、レスター

仮面の復讐者

ピエール=エメリク・オーバメヤンのデビューが実現すれば、サポーターはゾロのコスプレのようにピッチ上で保護マスクをつけざるを得なかった過去のブルーの選手たちを思い出すだろう。

チェルシーの「仮面の裏の顔」リストには、セサル・アスピリクエタ、ゲイリー・ケーヒル、ペトル・チェフ、アンドレアス・クリステンセン、ジエゴ・コスタ、セスク・ファブレガス、パウロ・フェレイラ、ネマニャ・マティッチ、ペドロ、ラミレス、トニ・リディガー、ジョン・テリーそしてフェルナンド・トーレスが含まれている。



ディナモのホーム

マクシミール・スタジアムは、現在約25,000人を収容することができ、風通しが良いのが特徴だ。かつてのスタンフォードブリッジのように、ピッチはトラックで囲まれ、その両脇には大きさの異なる4つの独立したスタンドがあり、屋根はなく、コーナーが開いている。12月上旬以来、同地ではリーグ・カップ戦全てで無敗を誇っており、今夜の試合はソールドアウトとなっている。


グループEのもう一試合

セリエA王者のミランは、今晩ザルツブルクに乗り込むが、この1週間は試練に見舞われている。ファイナンシャル・フェアプレー違反でUEFAから200万ユーロ(1500万ユーロに上る可能性)の罰金を課され、25人のチャンピオンズリーグ出場メンバーから重要な選手を外さなければならなくなったのである。

その中には、新加入のヤシン・アドリ、マリック・ティアウ、アステル・ヴランクス、そして元ブルーズMFティエムエ・バカヨコ、ベテランストライカーのズラタン・イブラヒモヴィッチも含まれている。このような状況の中、週末に行われたミラノ・ダービーでは、注目のラファエル・レオンが2得点、そして元チェルシーのオリヴィエ・ジルーもゴールを決め、インテルに3-2で勝利した。

先月、RBザルツブルグは、オーレリアン・チュアメニの後任としてモナコに移籍した主力MFモハメド・カマラを売却し、その前にブレンデン・アーロンソンがリーズでジェシー・マーシュ前監督と合流した。オーストリア・ブンデスリーガでは、土曜日にホームで2-0の勝利を収め、勝ち点1差でリードしている。

チャンピオンズリーグ・グループステージ第1節

火曜日
ディナモ・ザグレブvsチェルシー 17時45分
ドルトムントvs FCコペンハーゲン 17時45分
ベンフィカvsマッカビ・ハイファ 20時
セルティックvsレアル・マドリード 20時
RBザルツブルクvs ACミラン 20時
PSG vsユヴェントス 20時
RBライプツィヒvsシャフタール・ドネツク 20時
セビーリャvsマン・シティ 20時

水曜日
アヤックスvsレンジャーズ 17時45分
アイントラハト・フランクフルトvsスポルティング・リスボン 17時45分
アトレティコ・マドリードvsポルト 20時
バルセロナvsビクトリア・プルゼン 20時
クラブ・ブルージュvsバイヤー・レヴァークーゼン 20時
インテルvsバイエルン・ミュンヘン 20時
ナポリvsリヴァプール 20時
トッテナムvsマルセイユ 20時