スタンフォードブリッジにて試合終盤まで忍耐と粘り強さを必要としたチェルシーは、クリスチャン・プリシッチの土壇場の一撃によりリーグ戦で貴重な勝利を手にした。

ウェストハムの果敢なディフェンスと勇敢な堅牢な守備のブロックにより突破口を見出せなかったブルーズにとっては、長い間苛立ちが募る展開が続いた。両チームとも最初の1時間は枠内へのシュートがなく、その後チェルシーはオープンプレーやPKからチャンスを得たが、ジョルジーニョのシュートがウカシュ・ファビアンスキにセーブされるなど、ブルーズはチャンスを逃し続けた。

しかし、トーマス・トゥヘル監督率いるチームは諦めずに攻め続け、試合終了直前にプリシッチがマルコス・アロンソの後ろへのクロスをゴール底に突き刺し、スタンフォードブリッジを沸かせた。

3月上旬のニューカッスル・ユナイテッド戦でカイ・ハフェルツが劇的な決勝ゴールを決めて勝利してから初めてとなるホームでの勝利となり、この勝ち点3によってアーセナルに5ポイント差をつけてプレミアリーグのトップ3入りの可能性をさらに高めることができた。

スタメン

今回のロンドンダービーでは、チアゴ・シウバ、トレヴォ・チャロバー、ジョルジーニョ、カイ・ハフェルツの4人が先発に復帰した。

チャロバーは、キックオフの1時間前に提出されたチームシートから、急遽アンドレアス・クリステンセンに代わってスタメン出場となった。そのため、チアゴ・シウバの左にキャプテンのセサル・アスピリクエタ、右ウイングバックにルベン・ロフタス=チークと、後方のメンバーを入れ替えることになった。

ウェストハムは先週末のバーンリーとの引き分けから6人変更し、デクラン・ライス、ジャロッド・ボーエン、マイケル・アントニオがベンチに下がった。また、12月の対戦で決勝点を挙げたアルトゥール・マスアクもスタメン入りとなった。

スロースタート

春の日差しが降り注ぐロンドン南西部、プレミアリーグ3位と7位の対決は、開始時点で両者の勝ち点差は10、国内とヨーロッパでタイトル獲得を狙う状況であった。

ウェストハムのモイーズ監督は、来週に控えるヨーロッパリーグ準決勝、フランクフルト戦に照準を合わせチーム構成を考えただろう。

一方、アーセナルとブレントフォードにホームで屈したブルーズは、リーグ9位というホームでの成績を改善することがトゥヘル監督と選手たちにとって急務であるため、何としてでも勝ち点3が欲しいところだった。

ロフタス・チークが右サイドのマスアクからボールを奪った後、エンゴロ・カンテが最初のシュートを放ったが、左足で放ったシュートはファーポストから大きく外れてしまった。

太陽の下での膠着状態

さらに攻勢をかけるチェルシーは、ティモ・ヴェルナーが左タッチライン際でボールを拾い、中にドリブルで持ち込みパートナーのハフェルツにパスを送ったが、このボールは高すぎて届かなかった。

一方逆サイドでは、サイード・ベンラーマがアスピリクエタにペナルティで襲い掛かったが、前線への速い展開でサポートを欠き、ゴール前での低いシュートはエドゥアール・メンディに簡単に処理されてしまった。

チャロバーは、アーロン・クレスウェルからのクロスを注意深く処理することになり、その結果ウェストハムにこの日最初のコーナーキックが与えられた。ロフタス・チークがヘディングでクリアし、アロンソがマスアクのボレーシュートを頭でブロックした後、メンディが空中からボールを拾い上げた。

互角の前半戦

過去15回のプレミアリーグでの対戦で、10勝4分けとチェルシーにとって非常に相性のいいハマーズ戦だが、両者とも序盤からエネルギーや激しさを欠いた。

このところ好調のメイソン・マウントだが、26分にエリア外から放ったシュートはバーを越えた。

また、ロフタス・チークのつくったチャンスからのアスピリクエタのシュートも阻まれ、アンドリー・ヤルモレンコはパブロ・フォルナルスのパスを受け、ブルースのバックラインの後ろに回り込み、この試合一番のチャンスを得た。

しかし、ウクライナ人のヤルモレンコのシュートはメンディが弾いたが、リプレーでは彼がオフサイドのポジションにいた可能性があることが示された。

ハーフタイム後の改善

後半開始とともにチェルシーはすぐにプレーの激しさを向上させ、それはホームサポーターの歓声にも反映された。

ヴェルナーは、ロフタス=チークのヘディングシュートに合わせてボレーシュートを放ったが、クレイグ・ドーソンの見事なダイビングブロックに阻まれた。ドーソンは、さらにカンテの20ヤードからのシュートもブロックし、こぼれ球はウカシュ・ファビアンスキーが素早くキャッチした。

これがこの試合初のチャンスとなったが、ウェストハムはその数分前にも、ヤルモレンコが右サイドを突破し、トーマス・ソーチェクとの連携からゴールに迫ったが、シウバとチャロバーのコンビがこれを阻んだ。

ブルーズを止めたドーソン

チャロバーは、シーズン開幕のクリスタルパレス戦で印象的なゴールを決めたシーンを彷彿させるドリブルで攻撃参加したが、このシュートはウェストハムのGKが左側に飛び出し、枠の外へ弾き出された。

その後、至近距離からヤルモレンコがゴールを狙い、メンディが2度セーブすることになったが、これもまたオフサイドの判定となっておかしくなかった。ブルーズがボールを支配し、試合をコントロールするようになると、ハマーズのカウンター脅威もより大きくなっていった。

しかし、トゥヘル監督は勝利の女神を求めてチームを前進させ、20分後、ロフタス=チークが再び右サイドからオーバーラップし、ルーズボールをマウントが拾い確実にゴールと思われたシュートを放つが、ドーソンがこれを何とかブロックし、ウェストハムは難を逃れた。

溜まる苛立ち

アロンソのヘディングシュートがゴールネットの上を揺らすなど、ウェストハムの抵抗が続く中、ブルーズはフラストレーションを溜め込んでいくが、交代する直前のヴェルナーにこの日最後のチャンスが訪れる。

左サイドからのCKのクリアボールを拾ったアロンソのパスがヴェルナーに渡るが、彼はバランスを崩し、7ヤードの距離からファビアンスキの正面にシュートを放ってしまう。

トゥヘル監督はすぐに、クリスチャン・プリシッチ、ハキム・ツィエク、ルカクを投入し、ルカクは10分足らずでPKを獲得し、大きなインパクトを与えた。

PKのチャンス

チアゴ・シウバのアシストから、ルカクがゴールに向かって走り込むと、ドーソンがユニフォームを引っ張り止めたとの判定が下された。主審のマイケル・オリバーは、決定機を止めたとして、最初のイエローをレッドカードに変え、ハマーズにとってはより大きな痛手となった。

しかし、いつも通りのステップでPKに臨んだジョルジーニョだったが、ファビアンスキは彼がボールを打つまで動こうとせず、右側に飛び込んで楽々とシュートをキャッチした。

これでドラマが終わったと思われたが、今度はもう一人の交代選手が決定的なインパクトを与えた。ツィエクが放ったシュートはわずかに枠を外れたが、その後のプリシッチのシュートが決勝点となった。

マウントが左サイドからアロンソにボールを送ると、ウイングバックはエリアすぐ外にいるプリシッチを確認する。このアシストは完璧で、適切なタイミングで届いた低軌道のクロスをプリシッチは左足で合わせ、ゴール下へ正確な先制弾を決めた。

プリシッチが見せた一瞬の落ち着きと一流としてのクラスにより、チェルシーは試合終盤に勝ち点3ポイントを獲得し、消化した試合数が1試合少ないにもかかわらず5位との勝ち点差を7に伸ばした。

今後の予定

シーズン終了に向けて木曜日の夜にマンチェスター・ユナイテッドと、その3日後にエヴァートンといずれもアウェーでのリーグ戦に臨む。

チェルシー(3-4-1-2):メンディ;アスピリクエタ(C)、シウバ、チャロバー;ロフタス=チーク(ツィエク76)、カンテ、ジョルジーニョ、アロンソ;マウント;ハフェルツ(ルカク76)、ヴェルナー(プリシッチ76)サブ:ケパ、サール、ケネディ、バークリー、サウール、警告:アロンソ82得点:プリシッチ90

ウェストハム(3-4-2-1):ファビアンスキ;ジョンソン、ドーソン、クレスウェル;ツォウファル、ソーチェク、ノーブル(ライス62)、マスアク;ヤルモレンコ(ボーウェン)、フォルナルス;ベンラーマ (ランシーニ78)サブ:アレオラ、クラール、アレセ、ヴラシッチ、フレデリックス、アントニオ退場:ドーソン86

主審:マイケル・オリバー観客:32,231