元チェルシーのストライカー、フェルナンド・トーレスが引退。金曜日に日本で現役最後の試合を戦ったトーレスとの思い出を振り返ろう。
サガン鳥栖でプレーしていたトーレスは、現役最終戦をヴィッセル神戸と戦った。幼い頃からの友人アンドレス・イニエスタや、ともにW杯を制したダヴィド・ヴィジャらがいるクラブを相手に、勇姿を見せた。
そんなトーレスは8年半前にブルーズに加入。2011年1月、当時の移籍金最高額で移籍市場最終日にやって来た。アトレティコ・マドリッドやリヴァプール時代ほどの活躍はできなかったかもしれないが、それでもチェルシーファンからは愛されるだけの数々の思い出の試合を戦っている。
チェルシー 3-0 ウェストハム・ユナイテッド 2011年4月23日
トーレスのブルーズ初ゴールが生まれた瞬間は、多くの人が記憶しているだろう。初ゴールが遠く批判も集まっていたトーレスだったが、常に応援してきたファンの期待に応えるその瞬間が生まれたのは雨のスタンフォードブリッジ。カルロ・アンチェロッティがベンチからトーレスを送ると、ボックス内の巧みな動きからトーレスがついにゴールネットを揺らす。歓喜の瞬間に、セレブレーションではチームメイトに押しつぶされるトーレスなのであった。
バルセロナ 2-2 チェルシー 2012年2月24日
チェルシーでのトーレスといえば、やはりこの試合だろう。2012年のチャンピオンズリーグ準決勝2ndレグ、バルセロナとの死闘での活躍だ。試合は10人のチェルシーが、アウェイゴールでわずかにリードを握ったまま9人を引いて守り勝ち抜けを目指した試合終盤、アシュレイ・コールがクリアしたボールに抜け出したのがトーレスだった。ピッチを縦断したトーレスはヴィクトル・バルデスを破って決定的なゴールを決めて、チャンピオンズリーグ決勝へとチームを導いている。コメンテーターだったギャリー・ネヴィルのリアクションも合わせて今や語り草のゴールだ。
チェルシー 6-1 QPR 2012年4月29日
バルセロナを破った5日後のこと、勢いの止まらないトーレスがゴールを量産。QPRとの西ロンドンダービー、チェルシーは開始25分で4-0のリードを奪う。ダニエル・スタリッジ、ジョン・テリーが早々にネットを揺らすと、トーレスが追加点。さらに相手DFのミスを突いてさらにゴールを重ねると、1時間経過したところでハットトリック達成。クラブのプレミアリーグ通算400勝を飾ったのだった。
チェルシー 2-1 ベンフィカ 2013年5月15日
ブルーズで2つ目となる欧州タイトルを手にしたトーレス。2013年のヨーロッパリーグでも、その存在感を発揮した。大会を通じて9ゴールを決めていたトーレスは、決勝でもゴール。マーカーのルイゾンに違いを見せつける動きで、角度のない位置からネットを揺らしている。試合自体は追加タイムのブラニスラヴ・イヴァノヴィッチの決勝点が記憶に強いが、この優勝でトーレスはチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ、W杯、ユーロを制したことになったのだった。
チェルシー 2-1 マンチェスター・シティ 2013年10月27日
2013/14シーズン、スタンフォードブリッジにマンチェスター・シティを迎え撃ったこの試合ではトーレスが試合を席巻。まずはガエル・グリシーを置き去りにして右サイドからアンドレ・シュールレの先制点をアシスト。その後アグエロに同点を許すも、ウィリアンのロングパスの処理を誤った瞬間を見逃さず、トーレスがボールを奪って90分の決勝点を奪ったのだった。