レアル・マドリード戦の敗因について、データを見ると試合後にトーマス・トゥヘル監督が語ったことが正しいことがわかる。
準々決勝第1戦、ホームのスタンフォードブリッジにて3-1で敗れたチェルシーにとって、2021/22シーズンのチャンピオンズリーグを勝ち進むには非常に厳しい試練が待ち受けている。
カリム・ベンゼマの放った2本のヘディングシュートによって0-2とされたブルーズだが、カイ・ハフェルツの勇気あるヘディングシュートで1点を返した。しかし、エドゥアール・メンディが珍しくミスを犯し、後半の早い段階でベンゼマにハットトリックを許し、次週のスペイン首都での試合に向けて2点のビハインドを背負うことになった。
対照的となった前後半
トーマス・トゥヘルは試合後、「チェルシーの序盤のパフォーマンスはいつものレベルを大きく下回っていた」と語り、レアル戦の開始45分間はスタンフォードブリッジで見たチームの中で最悪の出来だったと感じているようだった。また、選手たちが出すパスのタイミングや種類、そして激しい相手へのチャージがブルーズに欠けている2つの要素だと指摘した。
その証拠に、この試合のスタッツを見ると、この試合のキーパス15本のうち前半は6本だけで、後半はより鋭いパスワークを披露した。ジョルジーニョが3本とこの試合で最も多く、2本以上出したのはブルーズが4人に対しレアル・マドリードの選手は1人だけだった。
プレーの激しさの面では、チェルシーの選手たちが成功させたタックルは前半が3つだけだったのに対し、後半は8回だった。実際、ハーフタイム前のタックル試行数はわずか4回だったが、その後、相手がボールを持ったときにプレッシャーをかけ、後半は15回トライした。そのうちメイソン・マウントの4回はピッチ上での最高記録タイとなった。
トゥヘル監督も、4バックへのフォーメーション変更に伴い、後半はプレーが改善されたと感じているようだ。
後半、レアル・マドリードが8本のシュートを放ったのに対し、ブルーズは20本のシュートを放ち、ブリッジで何とか2点目を挙げようと試みた。チェルシーにとってこの試合唯一のゴールを決めたハフェルツは、この試合最多の6本シュートを放った、これはレアルのベンゼマより2倍も多かったが、フランス人FWは4本のシュートで3得点と非常に効率的だった。ベンゼマはマドリードの選手で唯一2本以上のシュートを放ったが、一方のブルーズは5人が同数以上を記録した。
また、ベンゼマの46分のゴールがマドリードの選手によるこの試合での最後のシュートとなり、チェルシーが前半の8本に対して後半はさらに12本シュートを放ったことも、後半戦のパフォーマンス向上を物語っている。
後半の反撃
後半1分にレアル・マドリードから3点目を奪われたショックは大きかったが、その後チェルシーは落ち着きを取り戻し、ファイナルサードで相手を崩すことは難しくても、相手を押し返す方法を模索した。
シュートの統計が示すように、ブルーズにはチャンスがあったし、もう少し運があれば、より良いスコアラインでマドリードに向かうことができただろう。前半はレアル・マドリードが主にカウンターアタックと前方への素早い突破に頼っていたため、試合の39パーセントがレアル・マドリード陣内で行われたのに対し、チェルシーのディフェンス陣では16パーセントにとどまり、相手陣の占有においてもその優位性を示した。
また、ポゼッションは57%を占め、パス本数もレアルの468本に対しチェルシー639本を記録した。しかし、後半はパスの種類が異なり、24本のロングパスのうち15本、18本のクロスのうち11本が後半45分のもので、ボールをより早く前に運び、エリア内に入れる意欲が見られた。
しかし、20本のシュートのうち半分がペナルティエリアの外からのものだったことが、明確なチャンスを切り開くことの難しさを物語っている。
多忙なサイド
トゥヘルはセサル・アスピリクエタを左サイドのウイングバックとして起用し、彼の守備力が、レアル・マドリードの攻撃的な右サイドバック、ダニ・カルバハルとウイングのフェデリコ・バルベルデによる強力な脅威を抑えるのに役立つと期待していた。
スペイン勢の攻撃の46%がこのサイドからのものであり、中盤が1枚多いにもかかわらず、ピッチ中央からの攻撃は20%に過ぎなかったことからもわかるように、監督は危険なエリアと相手の好むルートは確実に見抜いていた。
また、カルバハルの背後のスペースにカウンターを仕掛ける機会もあり、チェルシーの攻撃の40%は左サイドからだった。
チェルシーでジェイムズの3本のシュートを上回ったのはハフェルツだけで、枠内への2本のシュートはハフェルツと並び、2本のキーパスを上回ったのはジョルジーニョだけだった。リースの2回のドリブル成功は、ジョルジーニョとルベン・ロフタス=チークと並んで、ブルーズの選手の中で最も多く、さらに彼はチーム最多(ハキム・ツィエクと同数)となる5本のクロスも成功させた。