誰もが手に汗を握りながら観戦しただろうチャンピオンズリーグの一戦を、データから振り返ってみよう。

チェルシーは、初めてのベルナベウで非常に良いプレーを見せ自由に得点を重ねたものの、第1戦での大敗により結果を覆すことができなかった。このことは、30年前にチャンピオンズリーグが始まって以来、決勝トーナメントのホーム戦で2点差以上つけられて敗れたチームが、次のラウンドに駒を進めたことが1回しかない理由をよく表している。

昨晩、ブルーズはパリでPSGに衝撃を与えた2019年のマンチェスター・ユナイテッドに並ぶまであと10分と迫っていたが、ルカ・モドリッチの見事なスルーパスからロドリゴの得点を許してしまった。

しかし、試合がレアル・マドリードに逆転される前にチェルシーが3-0でリードしていたことは疑いようがない事実だ。

攻撃、攻撃、攻撃

チェルシーが圧倒的に優勢だったというのは、見ているほとんどの人が思ったことだろうし、実際にデータもそのことを示している。

ブルースは120分間で57%のポゼッションを占め、攻撃に関するデータのほとんどで相手を上回った。

攻撃の回数はレアルの46回に対し、チェルシーは90回、シュートは10本対28本(カイ・ハフェルツが6本)だった。枠内へのシュートは7本対4本、CKは10本対1本、また、26本のクロスのうち11本が味方に届いている。レアルは10本のうち3本となった。

チェルシーが序盤から主導権を握っていたことは、メイソン・マウントの先制ゴールに表れている。マルコス・アロンソが空中戦のクリアボールを胸で押さえ、マウントが見事なゴールを決めるまでパスを29本つなぎ、カイ・ハフェルツを除くすべてのFWが関わった。

献身的なチェルシーと冷酷なレアル

プレッシャーに耐えながら、相手の隙を突くという典型的なアウェーチームのモードを採用したわけではないことは確かだ。試合中、両チームともカウンターアタックと呼べるような動きは1度しかなく、チェルシーはそのプレーで枠内にシュートを放った。

重要なのは、前節のホーム戦でトゥヘルが「いつものようなチャレンジ精神がない」と嘆いたように、ベルナベウではマドリードの69回に対して77回勝利し、タックルも1回多く成功し、空中戦では2倍以上の勝率を記録したことだ。

しかし、その夜は3-2で勝利したものの、レアルが劣勢から反撃してきたため、2試合合計で敗退となった。この2試合で訪れたチャンスをものにした彼らの非情さからは逃れられなかったということになる。

チェルシーはゴール期待値(xG)2.72で3点を取ったのに対し、レアルが1.23で2回ゴールを決めた。これは第1戦と似ており、彼らが1.83のxGから3ゴールを生み出したのに対し、ブルーズは1.35の期待値で1回ゴールを決めたのである。

「チェルシーは素晴らしい試合をした。スコアに値するプレーをした。4得点したし、もっと得点できる大きなチャンスもあった。運がなかった。相手の個々の選手の質の高さと決定力が敗因となった」と語るトゥヘル監督は、マルコス・アロンソのゴールが認められなかったことについても示唆した。

彼が指摘したビッグチャンスはスタッツでは5つあり、そのうち4つは失敗している。レアルはビッグチャンスを2つともものにした。

ホームでの2点差、アウェーでの2点差

トゥヘルはスペインでのフォーメーションを、前節サウサンプトン戦の6-0の勝利で効果的に使われたものをベースに、流動的で、ポゼッションしているときといないときで形を変えながら、ほぼ忠実に再現した。

ヴィニシウス・ジュニオールとの直接対決は、アンドレアス・クリステンセンではなく、リース・ジェイムズに託された。ジェイムズはタックルを8回成功させたが、この数字はピッチ上の誰よりも3回以上多い。

トニ・リュディガーは、試合後、ルベン・ロフタス・チーク(本来は右ウイングバック)がメイソン・マウントとともに10番の位置でプレーし、レアルの中心選手であるカゼミーロと相手ディフェンスの間にできたスペースを利用する役割を担っていたと語った。

下の平均ポジションでは、マウントとティモ・ヴェルナーがそのエリアにおり、ロフタス・チークが反対側のアロンソと競ってより多くアップフィールドにいたことがわかる。その下のサウサンプトンでのポジションと対照的である。

2試合で使われた、ヴェルナーの後ろにマウントをより中央に配置した新しい攻撃の形は、2人に恩恵を与えているように見える。この2試合でそれぞれ3ゴールを挙げ、マウントが2アシスト、ヴェルナーが1アシストを記録している。この1ヶ月間、両者とも得点はなかった。

マウントは現在、過去2シーズンで20ゴール21アシストを記録している。マドリードでは、アロンソと同様に4本のキーパスを供給した。

この日の勝利で、クラブ史上最多となる8回のアウェー連勝記録を樹立したチェルシーは、過去15回のスペイン勢との対戦で1度しか負けていないことになる。

しかし、チャンピオンズ・リーグ準々決勝では、10回目の挑戦で2度目となるこの段階での敗退となった。