2連続でスコアレスドローとなった週末の試合を分析すると、守備面でカギとなるパフォーマンスがあったが、ベン・チルウェルとリース・ジェイムズが攻守にわたって試合の流れに大きな影響を与えたことがわかる。
トップクラスのプレーを見せたチアゴ
2試合連続クリーンシートとチアゴ・シウバのスタメン出場は何らかの関係があるのだろうか?2試合目のデータを見ると、そういうわけでもなさそうだ。
2試合連続無失点はロックダウン直前の3月、リヴァプール(2-0)とエヴァートン(4-0)との連戦以来である。
先週火曜日のセビーリャ戦同様、今週末もシウバの冷静なボールさばきはデータから見ることができ、さらにポゼッションに加え重要な局面でポグバ、そして試合終盤のエディンソン・カバーニのシュートをブロックし、相手に得点を許さなかった。特に後者は、あたかもPSG時代のチームメイトの動きを察知していたかのようだった。
さらに守備において、チアゴ・シウバはインターセプト2回、クリアー数はこの試合最多の6回、そしてタックルは2回とも成功となった。
ボールキープ時のタッチ数は最多の95回、パスは82本中77本通し、成功率は94%と、スタメン勢ではトップとなった。
パスミスは全て相手陣でのものだった。
チェルシーのTwitter公式アカウント@chelseafcのマン・オブ・ザ・マッチ投票で最多得票となったのも驚くことではない。しかし結局MOMに選ばれたのは、好セーブを連発したエドゥアール・メンディだった。メンディはマンUの枠内へのシュート4本をセーブ。一方の相手GKダビド・デ・ヘアのセーブは、クリスチャン・プリシッチのシュート1本のみとなった。
拮抗した試合
枠内へのシュート以外の他のデータでは、ポゼッションは50-50の互角、パス数も582本で並び、パス成功率も両チーム83%と接戦であったことがわかる。
キャプテンのセサル・アスピリクエタが試合後のインタビューで語ったように、前半はチェルシーがパス数330本でキープ率59%、一方のマンUは234本となり、逆に後半はマンUがパス数348本でキープ率58%、チェルシーは252本と、前後半で試合の流れは大きく異なった。
サイドからの攻撃
オールドトラフォードでのチェルシーの布陣は5バックとされ守備的と見なされたが、これは昨季のFAカップ準決勝でマンUを破ったものと同じもので、ベン・チルウェルとリース・ジェイムズがウィングバックとしてチェルシーの攻撃をサポートした。
ファーポストのプリシッチが一歩届かなかったジェイムズのセンタリングを含め、両者とも90分間で6回クロスを上げた。マンUのブルーノ・フェルナンデスも主に中央でプレーしたにもかかわらず、6回クロスを供給した。
チルウェルとジェイムズは両方ともドリブル成功率が高く、マンUで同率だったのは途中出場したメイソン・グリーンウッドだけだった。チルウェルはチェルシーで最も多くチャンスとなるパスを出した(2回)。一方守備面では、両者とも4回タックルを成功させた。
下の平均ポジショニングマップを見ると、アスピリクエタの位置はジェイムズに近く、これはダニエル・ジェイムズとマーカス・ラッシュフォードの攻撃を抑えることに繋がったと言えるだろう。メンディがセーブした4本のシュートのうち、2本はラッシュフォードが放ったものだった。
前述の通りプリシッチのシュートがチェルシー唯一の枠内へのシュートだった。プリシッチのシュートは3本と、マンU勢のラッシュフォードとフェルナンデスと同数だった。
ボール奪取となると、エンゴロ・カンテの影の活躍が大きく、タックル成功はなかったものの、インターセプトは3回となった。
2試合連続のスコアレスドローは、アントニオ・コンテ監督時代の2018年1月に遡る。その時はノリッチ(FAカップ)、アーセナル(カラバオカップ)、そしてレスター(プレミアリーグ)と3試合連続で0-0となった。