FAカップ準決勝のパレス戦でブルーズがどのように相手を破ったか、ウェンブリーでの前後半に何が変化したのかをデータを見ながら振り返ってみよう。

トーマス・トゥヘルは準決勝の勝ち方を知っている、それだけは確かだ。

昨日ウェンブリーで行われた準決勝でパレスを破ったことで、トーマス・トゥヘルは母国ドイツ、フランスのPSG、そしてチェルシーでこれまでにFAカップ、チャンピオンズリーグ、クラブワールドカップ、カラバオカップなどで11回決勝に進出したのである。

しかし、今回のパレス戦では、状況を好転させるためにハーフタイムに監督による素早い修正が求められた。試合開始と同時に、対戦相手のクリスタルパレスはこれまでの4-3-3から3-5-2に変更し、シェイフ・クヤテが中盤から下がって3バックの一人となった。

この布陣の変更は、今シーズンパレスで最も影響力のある選手、レンタル移籍中のMFコナー・ギャラガーの不在を緩和するためではなく、チェルシーに異なる試練を与えるためだったと、監督のパトリック・ヴィエイラは説明した。

「相手の前線5人に合わせ、通常の4バックの間を突かれないようにするためだった。セルハーストでは、チェルシーにサイドで数的有利を作られ多くの被害を受けたから、それを防ぐために変更したんだ。」

試合後のトゥヘル監督は、試合序盤は相手の対策に苦しんだと認め、「それを予想していなかったから、思っていたようなスペースはなかった」と述べた。「後半は違うスペースを見つけ、中央で数的有利をつくり、ファイナルサードからエリア内に向かってゲームを加速させるようにした。」

ゴールを目指して

前半を無難にこなした後のチェルシーのアプローチへの変更が功を奏したことは、2つのゴールを見れば明らかである。ポゼッションに関しては前後半それほどの差はなく、チェルシーがその3分の2を支配した(数日前にマドリードで延長戦を戦ったチェルシーとしては、パレスに厳しいプレスを受けないことが重要だった)が、シュート数は前半の3本に対して後半は9本、枠内へは1本に対して3本と後半に数を大幅に増やしている。

パレスのシュート数は前半の1本から5本に増えたが、枠内へは両ハーフとも1本にとどまった。

最初のシュートは、エドゥ・メンディがクヤテのシュートを防いだもので、彼は普段よりも深い位置でプレーしたにもかかわらず、この試合で最も多くのシュートを放ったメイソン・マウントに並び、両者とも3本となった。ハキム・ツィエクは15分間ピッチに立ち、2本のシュートを放った。これは、交代出場時、試合がよりオープンになっていたからだろう。

チェルシーのパスの精度は後半も上昇し、前半よりも数が10パーセントも増えた。精度は85パーセントから90パーセントに上がり、この日の両チームの明確なコントラストのひとつとなった。パレスのパス成功率は75パーセントと、全体的に低めだった。

ディフェンスに留まったリース

トゥヘルは、スタメンに関してはベルナベウで良いプレーを見せたチームから抜本的な変更をしなかった。アンドレアス・クリステンセン、ジョルジーニョ、セサル・アスピリクエタというフレッシュな選手を起用し、さらにキャプテンが復帰したことでリース・ジェイムズの右ウイングバックへの復帰が予想された。しかし、実際には彼はレアル・マドリード戦同様に3バックの右サイドに留まった。

これにより、ジェイムズはイーグルスの危険人物、ウィルフリード・ザハに対処するのに適した位置でプレーすることになった。ザハは2トップのパートナー、ジャン・フィリップ・マテタよりも左サイドにいる時間が長く、トゥヘルのシステムは通常、幅の広い2人のセンターバックに適切なときに前進する許可を与えている。

ディフェンダーのポジションでプレーしたジェイムズだが、それでもチーム最多となる4本のクロスを提供した。後半、チェルシーが中盤にボールを集めてパレスに攻め込む戦術をとったことは、センターリングの数にも反映されている。後半45分間で試みたクロスはわずか5本だった。

流動的な攻撃の脅威

ピッチ中央では、ルベン・ロフタス=チークがザハと並ぶ2回のドリブルでこの試合の最多となり、レンタル選手としてパレスでプレーした経験を持つ彼が、2018年のヨーロッパリーグ準決勝以来のチェルシー得点を挙げた。これらの試合の間には、2020年11月にフラムへのレンタル移籍中に得点を挙げている。

5th Standアプリの投票を含めこの試合のマン・オブ・ザ・マッチに選ばれたティモ・ヴェルナーは、ここ数試合のようにゴールを奪うことはなかったが、メイソン・マウントの2-0へのアシストに加え、さらに4本のキーパスで得点のチャンスを演出した。

チェルシーは空中戦において、パレスの12回に対して16回と優位に立ったが、デュエルとタックル数ではわずかに上回っただけだった。タックル数ではジョルジーニョが4回でトップで、クリステンセンはこの試合で最も多くのクリアを記録した。

この勝利により、ブルーズの対クリスタルパレスの戦績は史上初の10連勝となった。アーセナル時代にチェルシーと対戦したFAカップ4試合すべてに勝利したパレスのパトリック・ヴィエイラ監督だったが、ついにブルーズとの対戦で敗北を味わった。

アーセナルといえば、チェルシーがFAカップで2大会連続決勝進出を果たすのは、2001年から2003年まで3年連続でFAカップ決勝を戦ったガナーズ(そのうちの1回はカーディフでブルーズと対戦)以来のことである。

5月の決勝戦ではリヴァプールが待ち構えている。同じシーズンにFAカップ決勝がリーグカップ決勝と同じカードになるのは2度目となる。前回はアーセナルが1993年に2回の決勝でシェフィールド・ウェンズデーと対戦した。