レンヌとの試合に勝利したチェルシーだが、試合後データを分析すると、CBのチアゴ・シウバとクル・ズマ2人の連携がチームの守備の土台となっていることがわかる。
チェルシーはここ最近チャンピオンズリーグで堅調なプレーを見せ、レンヌ戦で5試合目のクリーンシートを記録した。ここでは勝利の裏にある数字や戦術について見ていこう。
2人のCBが守備を牽引
チアゴ・シウバとクル・ズマがともに出場するのは開幕から5度目となったが、この2人が揃った試合でまだ失点はない。レンヌ戦での無失点により、2010年秋以来の全大会合わせて5連続クリーンシートとなった。チアゴ・シウバの格調高く、落ち着いたプレーによりチェルシーの守備は大きく改善された。シウバは62本のパスのうち93%を成功させ、後半途中に交代したが、空中戦とタックルはすべて成功した。
36歳のシウバの起用法について今週ランパードは、コンディションさえよければ、これからもプレーし続けるだろうと語った。
一方のズマも負けてはいない。ボールタッチ数は試合最多の99回でパス回数も93、守備面でも綻びはなかった。エドゥアール・メンディはこれまで630分間プレーし、失点はスパーズのエリック・ラメーラのゴールだけである。
オールラウンドぶりを見せたエイブラハム
タミー・エイブラハムは、今季3ゴール目を決めたが、ランパードを喜ばせたのは彼のストライカーとしての器用さだろう。ティモ・ヴェルナーが左サイドに入り、エイブラハムは前線のくさびとしてディフェンスとの距離を縮め、高い位置からプレスをかけ、攻撃陣と連携を取った。
ヒートマップを見ると、実際にはエイブラハムのポジションはツィエク、マウント、ヴェルナーより低く、これはボールをキープしてチームのラインを上げることに努めていたことを示しているだろう。ボールタッチ数は10回とチーム最少だったが、そのうちの一つがゴールとなり、もう一本のシュートが2本目のPKとなった。エイブラハムはチャンピオンズリーグで出場した3試合で連続得点を記録している。
彼の動きによりツィエクはより多くのスペースを得て、ピッチの様々な地点でボールに触れている。
試合をコントロール
前半終了前に10人となったレンヌに対し、チェルシーのポゼッションは57%で、最もキープ時間が長かったのは7.9%のズマだった。それに続くのはジョルジーニョとマウント(両者とも6.2%)。
9本のシュートのうち4本が枠内で、このうち後半から出場したオリヴィエ・ジルーとツィエク、ヴェルナー、そしてエイブラハムが2本ずつとなった。
ブルーズは今季12試合で8回PKを獲得、そのうちの半分はヴェルナーに与えられたものだった。
ヴェルナーのPKは彼にとってチャンピオンズリーグ・ホーム戦初ゴールで、それまでの8ゴールはすべてアウェーでのものだった。
昨季から数えると、ヴェルナーは全大会合わせて56試合で40得点を挙げており、欧州トップリーグでこれを上回るのはロベルト・レヴァンドフスキ、チーロ・インモービレ、クリスティアーノ・ロナウド、そしてロメル・ルカクのみである。