エヴァートンを破りホームで5試合連続クリーンシートとなり、連続無敗記録も更新したチェルシー。この試合をデータで使って振り返ってみよう。

スムーズな連携を見せる3トップと今流行りの偽9番

トーマス・トゥヘルは4日前のリヴァプール戦からほぼ半分の選手を入れ替えたが、代わって出場した攻撃陣が期待に応えるパフォーマンスを見せた。カイ・ハフェルツは偽9番として従来のCFよりも自由に動き回る役割を担った。

ハフェルツのパス成功率は驚異の95%で、彼の連携により攻撃はよりスムーズになった。更に彼は空中戦を2度制し、ドリブル突破も2回成功した。

試合への影響という点でいうと、ハフェルツは両得点を演出したと言ってもいいだろう。先制点は彼のシュートが相手DFベン・ゴッドフリーに当たって入ったもので、2点目は彼がGKピックフォードに倒されて獲得したPKをジョルジーニョが決めた。

3-4-2-1のシステムで実際にはハフェルツはティモ・ヴェルナーとカラム・ハドソン=オドイよりも低い位置に下がることが多かった。これによりエヴァートンのCBは彼を追うかポジションをキープするか悩まされた。

トゥヘルは試合後の会見にて相手がマークしてくることを想定し、スピードと狡猾な動きで攻撃を組み立てようとしたと語った。この試合でもトゥヘルの采配が功を奏したと言えるだろう。

高いゴール期待値

トゥヘルが1月下旬にチェルシー監督に就任して以来、ブルーズの対戦相手のゴール期待値は平均で0.4となっており、これは相手に与えた決定機が2試合に1回しかないことを意味し、リーグ戦9試合で2失点しかしていないチームの守備力がよくわかる数字だ。

エヴァートンのゴール期待値は0.3で木曜日のリヴァプールと並び、枠内へのシュートは1本だけだった。トゥヘル就任以来リーグ戦で相手の枠内へのシュートが1本未満だったのはこれで5試合目となる。

ディフェンスではクル・ズマがスタメンに復帰しリチャーリソンやキャルヴァート=ルーウィン相手に空中戦を5回制し試合トップとなり、アンドレアス・クリステンセンも3バック中央でまたもや素晴らしいパフォーマンスを見せた。クリステンセンはピンチを救ったシーンを含みタックル2回、空中戦も3分の2を制した。

サイドからチームに貢献したジェイムズとアロンソ

マテオ・コヴァチッチを除き、ボールタッチ数でトップとなったリース・ジェイムズはドリブル突破も6回とどの選手よりも2倍以上の数字を記録した。

積極的に攻撃参加したジェイムズはシュートも2本放ち、1本はブロック、2本目は枠を外れた。一方守備面ではリチャーリソンのチャンスを摘むタックルを見せた。

チェルシーはこの試合19本シュートを打ち、そのうち8本はGKピックフォードがセーブした。一方のアロンソはキーパス4本で試合トップとなった。

その他のデータ

コヴァチッチはポゼッション9.6%でこの試合トップとなった。彼に次ぐのがクリステンセン(8.9%)とアスピリクエタ(8.4%)。

シュート19本のうち9本が枠内で4本がブロックされ6本は枠を外れた。ティモ・ヴェルナーとアロンソが枠内に2本シュートを打った。

エドゥアール・メンディはクリーンシート達成数でトゥヘル監督就任後、主要欧州リーグでトップとなっている。