ブルーズは、キングスメドウで行われたリーグ戦最終節マンチェスター・ユナイテッド戦で、サム・カーの2ゴールなどにより後半に逆転し、3シーズン連続で女子スーパーリーグのタイトルを手にした。

日曜昼にキングスメドウで行なわれたこの試合、エマ・ヘイズ監督率いるチームは、アーセナルと同じかそれ以上の結果を残せば、2017年のスプリングシリーズに加え5回目となるリーグ優勝となる状態だった。

しかし、その後の90分間は、一筋縄ではいかなかった。前半早々、マーサ・トーマスのヘディングシュートで先制され、エリン・カスバートが同点に追いつくも、エラ・トゥーンがボレーで追加点を上げマンUが二度リードしたのである。

ヘイズはハーフタイムにチームに指示を送り、そして2人の選手交代により、試合再開後1分以内に同点に追いつくことができた。2点目を決めたのはカーで、ボックスの手前から左足でボレーシュートを放ち、メアリー・アープスを破りゴールを決め、キングスメドウは大歓声に包まれた。

その5分後、ブルーズの選手として最後の出場となったチ・ソヨンのパスを受けたペルニル・ハルダーが出したボールからグロ・ライテンがここ7試合で5点目となる見事なゴールを決めた。

ロンドンのもう一つのスタジアムでは、アーセナルがウェストハム相手に2ゴールを決めチェルシーにプレッシャーをかけたが、カーがまたもやゴールを決め、後半の緊張は吹き飛んだ。

アープスのずさんなクリアからライテンの頭に当たったとはいえ、このゴールの功績はワールドクラスのループシュートを見せたカーによるべきところが大きい。このゴールは、2年連続でWSLゴールデンブーツを獲得することになるシーズン20点目のゴールであり、前半に決めたゴールよりもさらに素晴らしいものだった。

まだ25分も残っていたにもかかわらず、ブルーズは勝利、そしてリーグ優勝を確信した。この時点でチェルシーは完全に主導権を握り、結果に疑問符がつくことはほとんどなかった。

後半はまさに王者の風格を漂わせ、試合終了のホイッスルがそれを物語っていた。イングランド王者の称号を再び手にしたブルーズ。しかし、ヘイズとその選手たちはもっと上を目指すだろうし、来週にはFAカップの決勝が控えている。彼女たちの勝利への執念は留まるところを知らない。

ジェシー・フレミングとベサニー・イングランドに代わって、このところベンチから目覚しい活躍を見せているヨナ・アンデションとカスバートが入った。アンデションはキングスメドウでの最後の出場となり、同じく退団したドリュー・スペンスとジはベンチ入りすることになった。

アン=カトリン・ベルガーが再びゴールを守り、ジェス・カーター、ミリー・ブライト、マグダレーナ・エリクソン、アンデションの4バックが背後を固めた。ナイアム・チャールズ、カスバート、ソフィー・イングル、ライテンが中盤に入り、ハルダーとカーが攻撃を担った。ヘイズ監督は今シーズン、キングスメドウの観客がいかに重要であるかを何度も語っていたが、この日もスタジアムは満員となった。

監督がドレッシングルームに戻る時、彼女は腕を振って観客を沸かせた。そしてエリクソンがチームメイトを率いてピッチに登場したときの歓声は、感動的だった。試合前の全ての準備が済み、あとは、90分間プレーするのみだけだ。雰囲気は熱く、太陽は輝き、リーグ戦の最終日にあるべき一日だった。あとは前半早々、緊張をほぐすために先制点が必要だったが、その代わりに、特にセットプレーからマンU にプレッシャーをかけられ、緊迫する場面が何度かあった。

前半12分、ブルーズは先制点を許し、ブルーズにとって誰も望んでいなかった展開となった。トーマスの緩いフリーキックがベルガーの頭上を越えていく。キングスメドウは一瞬、呆気にとられ、沈黙した。こんなことは想定外だった。前回のホームゲームでトッテナムに失点したときと同じように、すぐに反撃しかけたが、今回はチャールズのシュートはアープスを苦しめるほどにはならなかった。

しかし、その数分後、カスバートのシュートで同点に追いついた。カーターからのロングスローをディフェンスが処理しきれず、このスコットランド人選手がいち早く反応し、ゴール下の隅に低い弾道でシュートを決めた。

この時点で、キングスメドウの雰囲気は一変し、ファンも選手も一気に活気づいた。チェルシーは攻撃を続けるものの、セットプレーに悩まされ、元ブルーズ・ディフェンダーのマリア・ソリスドッティルが放ったアクロバティックなボレーはカーがなんとかブロックし、さらにそのCKからクラブに縁のあるアレッシア・ルッソがヘディングシュートを放ったが、ベルガーの判断ミスで枠の上に外れた。そして前半の半ばに再びマンチェスター・ユナイテッドがリードを奪う。ガルトンのクロスからトゥーンが放ったボレーシュートがアンデションのかかとをかすめ、ベルガーの足元をかすめてゴール裏へ突き刺さった。

この試合までのWSLでは、ホームで2失点だけだったブルーズは、この25分間で同じ数だけ失点してしまった。2度目のビハインドへの反応は、最初のゴールの後ほど迅速ではなかったが、ハーフタイムが近づくにつれ、ブルーズはいつもの調子を取り戻し始める。ファイナルサードでのプレスがよくなり、カーのスルーパスをハルダーが受けるが、少しもたつきチャンスを逃してしまう。

その数分後、今度はカーが狙うが、シュートは威力と正確さに欠け、アープスが難なくセーブした。ハーフタイムのホイッスルが吹かれると、ヘイズはピッチを横切ってドレッシングルームに向かいながら、これから大きなチーム・トークをしなければならないことを悟った。ウェストハムがアーセナルをスコアレスドローに抑えたというニュースは朗報だったが、ウェストハムがガナーズに対して初勝利を挙げない限り、WSLタイトルをキングスメドウに残すには、少なくとも1ゴールが必要であることは分かっていた。

ハーフタイムに行われたのは話し合いだけでなく、ヘイズはイングルとアンデションに代えてイングランドとチ・ソヨンを投入し、シーズン最大の45分間を前に、攻撃の意思を明確に示したのだ。後半は驚くような展開になった。

ブルーズはブロックから飛び出し、イングランドは最初のプレーでボックス内に混乱を引き起こし、からかうようなクロスを入れた。カスバートのシュートはディフェンスに阻まれたが、ボールはカーにうまく収まり、カーが落ち着いてゴールを決めた。これは、今シーズン最も必要とされていたゴールの一つであり、彼女がFWA年間最優秀選手である所以である。

ハーフタイムにヘイズが何を言ったにせよ、その影響は明らかだった。5分後には、形勢が完全に逆転していた。2点目が力技だったのに対して、3点目は正確さによるものだった。チ・ソヨンが寸分の狂いもないスルーパスを出す。ハルダーはそれをライテンに流し、ライテンがゴールを決めて、初めてリードを奪ったのだ。これがタイトルを決める一撃になるのだろうか?ハーフタイムの交代劇を経て、ヘイズ監督は次の交代で状況を少し落ち着かせようと、アニーク・ノウウェンをセンターバックに起用し、エリクソンを左サイドバックにシフトさせた。

一方、ロンドンの反対側では、アーセナルが先制点を奪い、同じ頃キングスメドウではガルトンが自陣のコーナーフラッグ付近でブライトと衝突してひどい怪我を負い、試合は長い間中断となった。アーセナル戦のニュースで、キングスメドウにいたサポーターは少し緊張していたかもしれないが、そんな心配は無用だった。ここでもカーが大胆なプレーでチェルシーのタイトル獲得を確信させたのだ。

アープスは、ライテンがボックス手前でヘディングしたボールを慌ててクリアしたが、カーは胸でボールをトラップし、誰も予想しなかったループシュートでゴールを決めた。その時の彼女の表情がすべてを物語っていた。本当に素晴らしいプレーだった!

突然のことで慌てるマンU。コーナーキックからペナルティーエリア内でピンポンボール状態となるが、これは何とかクリアする。チェルシーは5点目を目指して攻め続け、チが中に切り込んでシュートを放ち、キングスメドウで見事な勝利を収めようとしたが、これはニアサイドのポストにわずかに当たってしまった。

ハルダーがスタンディングオベーションの中で退場し、フレミングと交代したが、それでもブルーズはプレッシャーをかけ続けた。チはWSLでの最後のゴールを狙っていたが、シュートを打つたびにユナイテッドのディフェンダーが邪魔をした。ロスタイム7分、ヘイズはスペンスにキングスメドウでの最後のプレー時間を与える。カーと交代し出場したスペンスに対し、スタジアム中のサポーターがスタンディングオベーションを送る。

14年間在籍し、ブルーとしてホームで最後の出場を果たした彼女を見送るために立ち上がったのだ。このチャントはすぐに、ここ数週間キングスメドウに鳴り響いているおなじみの歌に変わった。「イングランドのチャンピオン、我々は自分達が何者か知っている」。そしてついに、フルタイムのホイッスルがその事実を改めて確認させた。

過去3シーズン、私たちはWSLタイトルをしっかりと握りしめ、本格的なパーティを始めることができたのだ。選手たちが祝福のためにピッチになだれ込み、ヘイズは長年のアシスタントであり、クラブのゼネラル・マネージャーでもあるポール・グリーンと、またしても共に勝利を収めた後、抱き合った。このチームには、次の日曜日にウェンブリーで行われるFAカップの決勝戦という小さな課題が残っている。

チェルシー (4-4-1-1) ベルガー;カーター、ブライト、エリクソン(c)、アンデション(ジ h/t); チャールズ(ノウウェン 59)、カスバート、イングル(イングランド h/t)、ライテン;ハルダー(フレミング 77)、カー(スペンス 90+3)サブ:ムソビッチ、ミェルデ、ジェイムズ、アブドゥリーナ得点者:カスバート18、カー46、66、ライテン51警告:フレミング 80

マンチェスター・ユナイテッド(4-2-3-1) アープス;バートル、ラッド、トリスドッティル、ブランデル;グローネン(ブルン82)、ゼレム(C);トーマス(ボー・リサ76)、トゥーン、ガルトン(ハンセン65);ルッソサブ:バガレイ、ハリス、ムーア、フーゾ、コールドウェル、スミス得点者:トーマス13、トゥーン25警告:ラッド 11

主審:アビゲイル・バーン観客数:4,378 人